美容学校に入学するための試験対策

美容師

美容師として仕事をするには美容師国家資格を取得しなければいけませんが、そのためには資格試験に合格しなければいけません。
その前に、美容師国家資格の試験を受ける資格を得るために、厚生労働省が指定する美容師養成施設、いわゆる美容学校に入学して学ばなければいけません。
美容学校に入学するにも入学試験があります。

入学試験は大きく分けて3つ

入学試験にもいろいろな種類があります。美容学校は4年制の大学とは違い、飛び抜けた学力を必要とはしてないので、面接がとても重要になります。
そんな美容学校の入試は、大きく分けて3種類あります。

AO入試

AO入試とは

AO入試は大学の入試方法の1つで、高校での成績や、小論文、面接などで人物を評価し、入学の可否を判断する選抜制度です。学科試験を重視しない点は推薦入試と同じですが、推薦入試と違って学校の推薦状が不要です。

ちなみに、2021年からAO入試という名称は総合型選抜に変更されましたが、高校や、美容学校などの専門学校ではそのままAO入試という名称を使い続けているところが多いそうです。

AO入試の流れ

AO入試は、学校側が求める学生像に合った人物を選考する方式であり、早い段階で合否が出ることも特徴の1つです。美容学校では、その学校を第1志望と考える者であることが志願条件の1つになっていることが多く、また、オープンカレッジや学校説明会などに参加することも求められます。
気になる学校はすぐに検索し、オープンキャンパス情報なども確認して志望校を早めに絞り込む必要があります。

学力ではなく人物重視なので、面接がとても重要になります。近年は、Zoomでのオンライン面接を実施している学校が多くなりました。

早速スタート!

まず、オープンカレッジに参加しましょう。
気になる学校のオープンカレッジに片っ端から参加し、志望校を決め、学校のホームページからAO入試にエントリーし、面接を受けます。合格者にはAO入試出願許可書が発行されますので、それを受け取ったら入学願書を提出するという流れです。実際の入学までの間に実習体験が始まる学校もあります。

AO入試は人物重視なので、しっかり自己分析をして面接で意欲や目的意識を伝えなければいけません。
筆記試験や推薦状が不要で、合格者には優遇制度を設けている学校もあり、今は多くの人がAO入試を選択するようです。ただ、高校在学中からその美容学校に関わることになりますし、志望校をその美容学校1本に絞らなければいけません
早く動き出せば、それだけ合否が早く分かるのは利点ですが、それだけに事前の準備も早めに、しっかり行う必要があります。

推薦入試

推薦入試とは

卒業校の推薦をもらって入学試験に臨むのが推薦入試です。

高校卒業後に美容学校への入学を希望する場合、自身が通う高校から推薦状を出してもらい、在籍高等学校調査書や入学願書とともに美容学校に提出します。学校調査書は、1年生からの成績や活動を記した書類です。教師による評定や欠席日数などを重視する美容学校もありますから、高校の推薦を受けたい人は真面目に高校に通いましょう

推薦入試で合格するには

その美容学校のみを志望することが応募条件になっている学校も多いようです。
面接も行われます作文を書かせる学校もあります

また、推薦入試には指定校推薦入試というものもあります。つまり、美容学校側が「この高校の卒業生に、ウチに入学してほしい」という思いを表明しているわけです。
美容学校が指定している学校に在学している場合、指定校推薦枠で出願できます。逆に、いくら成績が優秀でも自分の学校が指定されていない場合は、指定校推薦枠では出願できません。通常の推薦入試で臨みましょう。

いずれにしろ、学校から推薦を受けなければ推薦入試には臨めません。

一般入試

一般入試とは

一般的な大学入試、高校入試に近い入試法です。
AO入試、推薦入試同様、書類選考面接を行います。さらにそれに加え、筆記試験も行います。
ただ、筆記試験は作文だったり、国語と数学のみだったり、一般教養の試験だったりします。一般入試を実施している学校によって筆記試験も違いますから、応募要項などで確認しましょう。

美容学校の入試対策

面接の準備が重要

美容学校の入試は、大きく分けて3種類ありますが、いずれも学力より、どんな人物か学校が求める学生のイメージに合うかどうか学習意欲があるかどうかなどが重視される傾向にあります。
そうした性格、内面、考え、気持ちを伝える場として、面接がとても重要になります。

また、高校時代の活動を聞かれることもあります。進路に関係する資格や部活などの活動実績が有利になる学校もあります。

オンライン面接の注意点

Zoomでのオンライン面接を実施している学校が多くなりましたが、良好な通信状態を保てるかどうか、前もって確認が必要です。また、背景が雑然としていてもマイナスですし、ヴァーチャル背景も避けたほうが無難です。

オンライン面接の場合、デバイス内蔵のスピーカーを通して会話するより、イヤホンを使ったほうが声を聞き取りやすくて安心です。
また、家族が近くにいるような環境では、前もってオンライン面接のことを伝え、その時間はなるべく静かにしてもらうなど、雑音が入らないように気をつけましょう。
もちろん、相手がしっかり聞き取りやすいよう、いつもより少し大きめな声でゆっくり、はっきり話すことを心掛けてください。
美容というファッショナブルなイメージの業界の面接だからと言って、カジュアル過ぎる服装などの派手な演出は逆効果にもなります。また、一番大切なのは清潔感です。

面接でよく聞かれる質問とは?

面接でもっとも多く聞かれる質問は「志望動機」だそうです。なぜかと言うと「学習意欲の本気度を計るため」「入学志望者と学校とのマッチ度を確かめるため」なんだそうです。
自分自身の気持ちをしっかり確かめ、きちんと伝えられるように準備しておきましょう。マニュアルなどに載っている内容そのままだと、学校側も「マニュアルの答えだな。本人の気持ちが分からない」とすぐに察します。

面接を乗り切るには

面接では誰でも緊張します。
もしかしたら面接官も緊張しているかしれません。
とは言え、やはり受験生のほうが大きく緊張するはずです。
「緊張して頭の中が真っ白になってしまい、言葉が出てこない」ということもあり得ます。そういう事態を避けるため、家族や友人、知人、高校の教師などに協力してもらい、面接の練習をしておきましょう。
友人相手では緊張しないと思うかもしれませんが、「入試のための面接」だと想像すれば、想像力のある人なら本番同様にちゃんと緊張するはずです。
とにかく、何度も何度も繰り返して練習しましょう。できるだけいろいろな人を相手に練習しましょう。

たくさん練習しても、本番ではやはり緊張のあまり、頭の中が真っ白になってしまうこともあり得ます。そんなときは素直に、面接官に「すみません、緊張で言葉がなかなか出てきません。落ち着くまで少しお待ちください」と言ってみましょう。

上手に話す必要はない

面接は簡単に言うと、受験生が自分をアピールする場です。さらに、面接官は知りたい情報を得ようとします。
その手段は会話です。
会話と言うと、テレビやネット動画などで上手に話しているように見える人をたくさん見ます。あういう話し方を「上手」だと勘違いしてしまいがちです。
しかし、面接官はそういう「上手な話し方」は求めていません。もちろん、話にオチも必要ありません。

学校を卒業して美容師になると、接客のためのコミュニケーション能力は大事なスキルですが、それでもテレビやネット動画などで上手に話しているように見える人たちの話し方は必要ありません。
自分の言葉で、伝えたいこと、相手が知りたいことを正確に伝えることが肝心なのです。

学力より「どんな人間か?」を重視

美容学校の入試では、学力試験を行うところは少ないです。
一般入試には基本的に筆記試験があり、推薦入試でも面接の他に筆記試験を行うところも一部あります。
しかし、美容学校全般が学力より「どんな人間か?」を重視して合否を判定します。

美容学校が求めているのは、美容師という職業に適性があるかどうか、美容の仕事に熱意があるか、美容の仕事を積極的に学ぼうという熱意があるかどうかです。
熱意、つまり「やる気」です。
なぜ、美容師の仕事に興味を持ったのか。なぜ美容師の仕事にひかれるのか。美容師の仕事のどこに魅力を感じているのか。そしてどんな美容師になりたいのか、そのために学校で何を学びたいのか。覚悟はあるのか
自分自身を振り返ってよく考え、準備しておくことが肝心です。

筆記試験対策

学力より人物像重視なのが美容学校ですが、一般入試と、推薦入試の一部では筆記試験も行います。
とは言え、学力を重視しているわけではないので、筆記試験の内容は「一般常識」「国語、数学のみ」「作文」であったりします。
どういった試験内容なのかは、学校の募集要項などで確認しましょう。

国語、数学などの学力試験を行う学校もありますが、「学力がどれだけ高いか」を見るというより、「高校で真面目に勉強してきたか」を見ると言えるでしょう。つまり、学習意欲があるかどうかです。
美容師という仕事に、飛び抜けた学力は必要ありませんが、美容師国家資格を取得するには、筆記試験でも合格しなければいけないことを忘れずに。

美容学校の入試に不合格だったら?

もし、AO入試を受けてAO入試出願許可書をもらえなかったら、どうしましょう。早い時期にAO入試を受けていた場合、一般入試に間に合うかもしれません。
一般入試のほうが難度は高くなりますが、まだまだ準備に時間をかけられる可能性もあります。

最初にAO入試を受けた学校に再チャレンジしても良いでしょう。最初のAO入試で自分の力を出し切れていなかったというモヤモヤがある人は、今度こそという強い意欲を持って挑むことが肝心です。
最初のAO入試で自分の力を出し切った上で不合格だった場合、学校との相性が悪かった可能性もあります。他の学校で一般入試を受けてみると良いかもしれません。

もちろん、AO入試も一般入試も不合格ということもあり得ます。そもそも美容師という職業に適性がなかったのかもしれないと、見切りをつけることも大切です。
焦らず、じっくり考えて今後のことを決めるのが良いのかもしれません。

まとめ

美容学校に入学するには、高い学力は必要ありませんが、学ぶことに対する強い熱意は必要です。そしてその熱意をしっかり学校に伝えなければいけません。
さらに、卒業後に美容師として活躍するには、その熱意を持ち続け、しっかり学び続ける必要があります。

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