男女ともに美容意識が高まる昨今、美容業界の多くの職業が人気を集めています。
ネイリストもその1つです。
ネイリストとは
ネイリストは、爪に装飾を施したり、爪をケアすることで指先を美しく見せる、爪の美容と健康の専門家です。
実は、ネイリストという名称はNPO法人日本ネイリスト協会の発案によるもので、この言葉は英語圏ではあまり使用されていないようです。諸外国ではマニキュアリスト、ネイルテクニシャンと言うそうです。
ネイリストの仕事
ネイリストの仕事は指先を美しくすることです。
お客様の要望に応じてネイルケア、カラーリング、ネイルアート、リペアを行います。
ネイルケア
爪の形を整えたり、爪を磨いたり、甘皮を手入れし、爪の健康な状態を保つ施術です。
カラーリング
爪に色を付けて美しくする施術です。
マニキュア、ネイルポリッシュなどを使います。
ちなみにマニキュアは、爪を塗装する化粧品の名称として知られていますが、もともとは爪を塗装する化粧法のことを言ったそうです。
ネイルポリッシュのポリッシュはもともと「磨くこと」といった意味だったようですが、今は主に爪を塗装するアイテムとしてネイルポリッシュという名称が使われています。
ネイルポリッシュもマニキュアの一種とされているようです。
爪を塗装する化粧品としてネイルラッカーという名称を使うこともあります。
ネイルアート
爪に化粧や装飾を施すことをネイルアートとも言います。ネイルケア、カラーリングはネイルアートに含まれると言っていいでしょう。
また、付け爪を付けるのもネイルアートです。
ネイルチップ
両面テープや接着剤で貼り付ける付け爪のことです。材質は主に合成樹脂です。
好みで装飾を足したりできる無地のプレーンチップ、最初からアートが施されているアートチップがあります。
低価格の市販品も多く、簡単に付けられるのが特徴です。
スカルプチュア
アクリル樹脂やジェルなどを盛り、爪の延長や補強を行う施術のことです。付け外しにはそれなりの技術が必要なようです。
ジェルネイル
スカルプチュアの一種で、紫外線で硬化するジェルを使います。
そのまま削って除去できるハードジェルと、有機化合物で柔らかくして除去するソフトジェルに大別されます。
この施術を中心に行うジェルネイル専門店もあるようです。
リペア
リペアは修復のことです。爪の補修・補強と、ジェルネイルの修復もネイリストの仕事になります。
ネイリストに必要な資格
ネイリストとして仕事をする上で、美容師にとっての美容師国家資格のような、「これがなければ仕事できない」という資格はありません。
そのため、知識や技術もなしにいきなり店に勤め、仕事をしながら知識や技術を身に付けるという方法もあります。
ただ、ネイリストは細かい作業、それも間違えるとお客様を傷つけかねない作業もあるので、専門的な勉強をしたほうが良いでしょう。
ネイリストにはいろいろと民間資格もあります。
公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターによるJNECネイリスト技能検定、NPO法人日本ネイリスト協会のJNAジェルネイル技能検定、NPO法人インターナショナルネイルアソシエーションのINAネイルスペシャリスト技能検定などです。
こうした資格を持っていると、就職のときに有利です。
ネイリストのための学校
ネイリストになりたい人が通う学校もいろいろあります。
ネイリストには「必ず必要な資格」はありませんが、こうした学校でネイリストの知識や技術を学んだほうが、民間資格を取得しやすいですし、民間取得があったほうが就職時にも有利です。
学校では資格取得をサポートしてくれますし、就職もサポートしてくれます。
すべて独学でやるよりお金はかかりますが、かなり効率的です。
ネイリストの勤め先
ネイリストの主な勤め先はネイルサロンです。
また、ネイルメニューを用意しているエステサロンや美容サロン、美容室もあり、そこでもネイリストが活躍しています。
他にもブライダルサロン、結婚式場などに勤めるネイリストもいます。
ネイリストの収入
ネイリストの収入は、勤務先、働き方などで大きく異なります。
正社員として勤務する場合は平均月収約26万円、平均年収約320万円だそうです。
歩合制を取り入れている店舗なら、お客様が増えれば給料も上がります。
自分で独立開業する場合、フリーで働く場合などはまた違ってきますが、いずれも営業力が収入を左右するでしょう。
ネイリストのやりがい
美容関連のすべての職業に同じことを言えるのかもしれませんが、ネイリストのやりがいも、いろいろなお客様に喜んでもらうことです。
また、ネイルアートの施術はアートというくらいですから、ネイリストのセンスやクリエイティブな技巧を生かせる場面です。イメージした通りに爪を美しくできたときには、大きな達成感があり、その積み重ねはやりがいになるでしょう。
ネイリストの仕事は接客業でもあるので、お客様とのコミュニケーションが楽しく、そこでの充実感がやりがいになっているという人もいるようです。
ネイリストの大変なこと
ネイリストとして就職する際、たとえ学校で学び、資格を取ったと言っても、やはり身に付けたのはまだ初歩的な知識と技術です。就職した最初は、アシスタントとして先輩ネイリストをサポートしながら、現場での技術や知識を学んでいくことになります。
アシスタントはやはり下積みなので、地道な努力の積み重ねをつらいと感じる人もいるのではないでしょうか。
また、専門技術の業界なので、同僚間でのねたみ、そねみや、性格的に合わないお客様とのやり取りなどの人間関係のトラブルもあるかしれません。
ネイリストに向いている人
ネイリストの仕事は細かい作業を的確にし続ける、専門的技能を要する仕事なので、手先の器用さ、高い集中力を持つ人に向いていると言えます。
接客業でもあるので、人と接することが好きな人、美容・ファッションに対して関心が強く、最新トレンドにもアンテナを張っている人であれば、なお向いています。
あらゆる職業について言えることですが、責任感もなくては務まりません。
ただ、集中力に自信がなかったり、不器用だという人もすぐにあきらめることはありません。
集中力や手先の器用さは、努力を積み重ねれば向上させることもできます。美容関連の仕事をしたくてたまらないし、人に喜んでもらえる仕事をしたい人は、ネイリストという職業に挑戦してみても良いかもしれません。
ネイリストの課題
ネイルサロンの増加とともに、セルフネイル、すなわち自分で自分のネイルをケアしたり、装飾できる商品が各種豊富に登場し、ネイルサロンのお客様は減少していると言う人もいます。
そうした中では、安全と安心、新しいデザインや技術、高い接客術などがネイルサロンの武器となるのではないでしょうか。
ネイリストの将来
ネイルを含めた美容への関心は確実に高まっています。
従来、ネイルサロンなどのお客様は女性が多く、男性はまだまだ少ないと言われていました。
しかし、男性の美容への関心も年々高くなっています。今後は大きな市場と考え、男性客を取り込む道を模索するのも、店舗発展の新しい可能性になるでしょう。
男性ネイリストも増えるかもしれません。
まとめ
特別な資格取得を必要としないネイリストは、美容業界で働きたい人にとってはおいしい仕事かもしれません。
とは言え、やはり専門性の高い技能職ですから、きちんとした知識と技術を身に付けることが必要です。
その上で、接客術、新しい知識と技術を学び続ける意欲もなければいけません。
ただ、美容師やアイリストに比べ、就職のハードルが低いのも事実なので、興味がある人はぜひ挑戦してみてください。
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