理容師とは
理容師は、理容室でヘアカット、シャンプー、顔剃りなどを行います。美容師と似ていると言えば似ていますが、容姿を美しくする美容師と違い、理容師は容姿を整えるのが仕事です。「理」には「ととのえる」という意味もあるそうです。
理容師の仕事
理容師はパーマ・カット・顔剃り・ひげ剃りを行います。
一方、美容師はパーマ・カット・ヘアセット・メイク・まつ毛エクステンション・まつ毛パーマを行います。顔剃り、ひげ剃りと言ったシェービングを行えるのは理容師で、美容師はできません。
そのため、昔は理容室は男性客、美容室は女性客が訪れると、明確に分かれていました。今は男性の美容意識も高まり、美容室を訪れる男性客が増え、また、おしゃれな外観・内観の理容室が出てきたことで、理容室でシェービングをしてもらう女性客も増えました。
ヘアカット
お客様の要望や好み、ヘアや頭皮の状態などを見極めながら、適切にカットをして髪型を整えます。
お客様の中には髪の長さをミリ単位で指定したり、真っすぐのもみあげを指定したり、もみあげを斜めにカットするよう指定したり、細かい要望を言ってくる人もいますが、的確に応えます。
パーマ
化学反応で髪を人工的に縮毛にする技術、それがパーマネントウェーブ、略してパーマです。理容師は、お客様の髪質や要望に応じてちぢれさせます。
昭和の昔は、美容室は女性、理容室は男性が利用するものと、誰言うとなく区別がハッキリしていて、理容室でパーマをかけると言うと、多くがパンチパーマでした。
そのパンチパーマも今や希望する人が減り、理容室でもいろいろな希望や要望に応じてパーマをかけるようになってきたようです。
シャンプー
理容室では、カットがおおよそ終わると洗髪します。シャンプーを泡立てながら、理容師が「どこかかゆいところはないですか?」と聞きます。洗い足りないところの確認の意味もあるそうです。美容院でも美容師が同様に聞いてきます。ただ、多くの人が、たとえかゆいところがあったとしても「ありません」なんて答えます。
ちなみに、昭和の昔は、理容室で洗髪すると、前かがみになってシャンプーの泡を洗い流したものです。一方、美容室では仰向けの姿勢で泡を洗い流します。ただ最近は、仰向けで泡を洗い流すことを選択できる理容室が増えてきたそうです。
シェービング
シェービングとは、カミソリや電動シェーバーを使い、ヒゲ、眉や顔、腕、すねなどの毛を剃る施術です。
このシェービングを営業行為として行うには理容師国家資格が必要で、美容師は行うことができません。そのため、シェービングと言えば、かつては理容室だけで行われてきました。しかし近年は、美容的な観点からシェービングに対するニーズが高まり、理容室でシェービングをしてもらう女性客が増え、また、理容師国家資格を持つ理容師を雇用する美容室も増えてきました。
理容師に必要な資格
理容師になるには、理容師国家資格の取得が必要です。
取得試験を受けるには、厚生労働省が指定する理容師養成施設で必要な学科・技能を修めなければいけません。
理容師に向いている人
理容師は、理容師学校のような理容師養成施設で勉強して理容師国家資格を取得し、理容室などに就職して数年は下積みと言えるアシスタントの仕事を経験し、その後にようやくスタイリストになるのが一般的なキャリアコースです。数年は地道な努力を続けることになるので、それを続けられる覚悟のある人が、理容師に向いていると言えます。
もちろん、「容姿を整える」という理容師の仕事に強い興味を持てなければ、そんな覚悟は難しいでしょう。
理容師の収入
理容師の給料は、勤務年数や技術レベル、雇用形態、店などにより異なります。
ですが、大体年収約320万円のようです。ただ、アシスタント時代は月収15万円ほどとも言われています。
理容師の就職先
理容師の就職先は床屋です。
理髪店、散髪屋、理容院、理容室とも言います。正しくは理容所と言うそうです。
ただ、床屋、理容室と言っても個人店、チェーン店、美容室を併設している店もありますし、他にもシェービングサロンなど、選択肢は意外といろいろあるようです。
理容師のやりがい
お客様の要望に応え、容姿を整えると、お客様はとても喜びます。
理容師のやりがいは、いろいろな人に喜んでもらうことです。理容師は接客業でもありますが、これは接客業全般のやりがいでもあります。
また、理容師の仕事も芸術や職人仕事と同様に「一生、技術の向上、新しい技術や知識の習得に努める」べきものです。技術の向上、新しい技術や知識の習得を実感できることは、理容師にとって大きな喜びになり、この喜びの積み重ねが仕事のやりがいになります。
理容師の大変なこと
理容師は接客業でもあるので、いろいろなお客様に対応しなければいけない点は、すべての接客業に共通する大変さかもしれません。理容師も人間であり、人間なので相性があります。理容師とお客様にも「合う」「合わない」があるわけです。中には、要望をお聞きするのが難しいお客様もいるはずです。
また、理容師は常に技術の向上、新しい技術や知識の習得に努める必要がありますから、地道にそれを続けていくことをしんどいと感じることもあるでしょう。
それに理容師は基本的に立ち仕事なので、体力的に大変です。
まとめ
昔は、理容師は男性客、美容師は女性客に施術するものと、明確に分かれていました。そのため、美容師は「おしゃれ」というイメージで見られる一方、理容師は「職人的な技能職」というイメージでした。
ただ、今はおしゃれな理容室も増えてきているようです。
おしゃれさを意識した理容室をバーバーショップと言い、バーバーショップで施術した髪型をバーバースタイルと言うのだそうです。ただ、そもそも理容室を英語で言うとバーバーなので、何をか言わんやです。
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