独立して美容室を開業するには

美容師

自分なりのおしゃれな感性を思う存分に発揮したいという美容師もいるでしょう。いえ、むしろそんな人が多いと言って良いかもしれません。
もちろん、美容師はお客様の要望、希望に沿った施術をしなければいけませんが、お客様が美容師の感性を気に入れば、かなり思う存分に自分なりのおしゃれを表現できるはずです。
ただ、美容師も美容室や美容サロンの従業員であれば、自分なりな感性を発揮する前に、その店の方針に従わなければいけないかもしれません。そんなとき「せっかくお客様が認めてくれているのに、店の方針で自分の個性を発揮できないなんて、そんなバカなことがあるか。よおし! こうなったら独立して自分の店を持つぞ!」と考える美容師もいるのではないでしょうか。
そんなやり取りがなくても、最初から独立開業を考えて美容師になる人もいますし。

開業に必要なこと

さて、独立して美容室を開業するには、何が必要なのでしょう? そう言えば、美容学校で美容室の運営なんかも教わった気がしますが、どうもよく覚えていません。それに独立開業は、やはり運営とは違う知識が必要なのに違いありません。

必要なことを調べる

独立開業には何と言ってもお金は必要なはずです。でも、どれくらい必要なのか分かりません。
とりあえずまず、独立開業に必要なことを調べましょう
今勤めている美容室の経営者や先輩が良い人ばかりで、円満退社になりそうなら、その人たちに独立開業について聞くのも良いでしょう。
お金のこともあるので、銀行に相談に行くことも有効かもしれません。
今勤めている店の経営者や先輩に相談しにくかったら、美容学校時代の先輩や教師といった人たちに相談してみるのも良いでしょう。
もちろんネットで検索して調べてみることも肝心です。

資金を貯める

「独立したい!」と思った瞬間から貯金を始めましょう。開業にいくらかかるか、具体的な金額を調べるのはその後で構いません。
具体的な金額は、店の場所、どんな店にするか、どうやって資金を調達するかなどで違ってきますが、とりあえず数千円、数万円では無理でしょう。たくさん貯金して多すぎることはないはずです。すぐにでも爪に灯をともす気で貯金を始めましょう。
もちろん、親が大富豪、自分が株や宝くじ、馬券などで大儲けして大富豪という場合は別です。

技術を高める

独立するとなると、美容師として常連客をつかまないと、せっかく開業しても店を維持するのは難しくなります。
常連客も1人、2人ではなく、多くいてくれないと、やはり店の維持は難しいでしょう。
多くの常連客を得るなら、美容師として高い技術が必要です。もちろん、人気を得られるような、おしゃれなセンスも大切ですが、技術がなければおしゃれなセンスを発揮することはできません
技術は一朝一夕で向上しませんから、技術の向上は日ごろから心掛けておきましょう。

経営を学ぶ

高い技術を持ち、人々から称賛されるおしゃれなセンスがあったとしても、店をうまく続けていけるとは限りません。美容師としていくら優れていても、経営者として店舗経営のセンスや力がなければいけないのです。
独立開業を考える人は、経営について学ばなければいけないのです。店の収支、借りた資金の返済、税金、必要な申請などの有無など、経営者はいろいろ考えることがあります。経営理念も必要です。経営理念は将来、何か困りごとにブチ当たった場合、どう乗り越えるのかを考えるときの指針になります。経営理念がないと、その日の気分や、投げた棒が倒れた方角なんかでどうするかを選んでしまいそうですが、経営理念があれば、それに沿って判断すれば良いわけです。

計画を立てる

独立開業に慣れてでもいない限り、独立開業はすべきことも多く、何かと手間がかかると感じてしまうでしょう。面倒です。
「独立したい!」と思い立ったら、一度ラフな計画を立ててみましょう。
いつごろ、どのあたりで、どんな店を開くか、おおまかなもので構いません。そこから1つ1つ、具体的なものにしていくのです。1つ1つやっていけば、着実に計画は進み、気がつけば独立開業できているはずです。

開業に向けてすべきこと

さて、独立開業に向けてすべきことが分かれば、後はそれを具体的に実行していくだけです。

店づくりを考える

一番重要で、もしかすると一番楽しいことかもしれません。どんな店にするか、まずは空想し、次に妄想し、それから具体案を作っていきましょう。
店のコンセプト、規模、場所は? 物件は新築するか借りるか。借りるとしたら居抜きで借りるか、大胆に改装するか。従業員を雇うのか、まずは1人でやってみるか。
考え、決めなければいけないことはたくさんあります。

事業計画を作成する

店づくり案が固まったら、事業計画を作成してみましょう。
事業計画は、開業するために法的に必要なものというわけではありませんが、金融機関から融資を受ける、つまり銀行などから開業資金を借りるには必要です。
事業計画には、創業者、つまり自分の経歴、理念と目的、事業内容、組織体制、売り上げ計画、利益計画、資金調達計画などを盛り込みます。
税理士などの専門家に相談しながら作成するのが良いでしょう。料金はかかりますけど、融資を受けられる可能性が上がります。

資金を準備する

事業計画ができたら、開店にお金がいくらかかるか判明します。
必要なお金は、店の改装工事費、家賃を含む、店を借りるための初期費用、店内設備の什器や備品などの費用、光熱費・従業員の給料・通信費などの運転資金に、その他もろもろです。運転資金は、経営が軌道に乗るまでの数か月分が必要です。
さあ、お金を調達しましょう
お金の調達では、事業計画が役立ちます。

店舗を見つける

店を探します。不動産屋を回ってこちらの条件を話し、紹介してもらうのが一番効率的です。もし、人脈があるならそのつてで探すのもアリです。
紹介してもらったところは、必ず直に見に行きましょう。店では、想像力をフルに働かせて自分の店を思い描き、しっくり行ったら、借りるか、買うかなど、さらに具体的に考えていきましょう。

法的手続き

美容師として開業するには、法的に必要な申請手続きがあります。
まず、管理美容師の国家資格が必要です。ただ、新しい美容室を2人以上の美容師で開業するとして、自分以外の誰かが管理美容師国家資格を持っていれば、新しく取得する必要はありません。ちなみに管理美容師国家資格は、美容師免許取得後に3年以上の実務経験があり、各都道府県で開かれている講習会を修了すれば取得できます。
それから保健所に「美容室開設届」 を提出し、美容室の営業の許可を得なければいけません。美容室開設届には美容室の構造設備なども書きますが、内装工事が終わってから保健所から改善を要求されると余計なお金や時間を取られるので、内装工事前に提出したほうが良いでしょう。
また、税務署に開業届も出さなくていけません。
それと、火災保険、賠償保険などの保険にも加入しておきましょう。火災保険の加入は義務になっていますが、他の保険も経営者としての責任ですから、加入を考えなければいけません。

店づくり

お金を集め、法的手続きを進めながら、店づくりにも取り掛かります。
店名も決めなければいけません。従業員を雇う場合は人材も探す必要があります。
外装、内装も設計士と打ち合わせし、工務店に発注します。シャンプー台、鏡、施術台、レジ、パソコン、その他の備品も揃えます。
いざ開店するとなったら、集客も考えましょう。どう宣伝するかを考え、効果的にアピールしていくことが肝心です。

まとめ

自分なりのおしゃれな感性を思う存分に発揮したいという美容師は、独立開業して自分の力やセンスを試したいと考えるかもしれません。
ただ、独立開業するにはいろいろな「しなければいけない」ことがあり、時間やお金をかけてこれを1つ1つ「しなければいけません」
独立開業するためにまず必要なのは、その覚悟を決めることです。

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