はじめに
髪はとても繊細です。また、頭は空気中のチリ、ホコリなどの汚れが付きやすく、放っておくと汗汚れ、皮脂、フケもたまっていきます。不潔です。
こうした汚れを洗い落とし、髪や頭皮を清潔にすることで髪は健康に生えてくるのです。そのために大切なのが、きちんと洗髪することです。
ダメージを与えない洗髪とは
洗髪は健全な髪にとって大切です。正しく洗髪しないと、髪のキューティクルを損なったり、頭皮を傷め、それが抜け毛などの髪のダメージにつながることもあります。
キューティクルは、髪の水分やタンパク質が失われないように保護してくれる膜で、これが重なってついていると髪の毛はサラサラでツルツルになります。髪の健康のため、このキューティクルをしっかり守らなければいけません。
今回は、美容師による正しい洗髪法をご紹介します。
朝シャンより夜シャン
朝起きてから洗髪することを朝シャンと言います。1987年ごろから普及し、流行したそうです。洗髪したての髪で登校したり、出社することで、朝からさわやかなイメージを持ってもらえる、ということでしょうか。
ただ、朝シャンには意外なデメリットがあるようです。
髪の汚れは朝から夜までの間にたまりますから、そのまま寝て、朝起きてから洗髪するということは、髪の汚れをひと晩放置することになります。すると、汚れの中の雑菌などが増殖してしまうわけです。
「なあんだ、それじゃあ朝も夜も洗髪すれば良いじゃん」と思う人もいるかもしれません。
しかし、髪は洗う回数は多ければ良いというものではないのです。洗い過ぎると、髪が乾燥してフケが出やすくなったり、頭皮を保護する皮脂を取り過ぎてしまい、髪が無防備に近くなってしまう可能性があるのです。
シャンプーは1日に1回、もしくは2日に1回、夜にするのが一番良いようです。
まず髪をとかす
さて、シャンプーを使う前にやるべきことがあります。ヘアブラシで髪をとかすことです。
ヘアブラシで髪をとくことで、毛穴の汚れを浮き上がらせ、髪の汚れをあらかじめ取り除くことができ、髪の絡まりをほぐし、シャンプーの泡立ちを良くし、頭皮の血行を促進して脱げ毛を防ぐことにもなるのだそうです。
お湯で汚れを落とす
それから、頭皮から毛先まで、お湯でしっかりすすぎ、さらに汚れを取り除きます。ただ髪にお湯をかけるだけではなく、指の腹で頭をマッサージするように洗いましょう。これで髪の汚れの7~8割を落とすことができるとも言われています。
ちなみに、これを予洗い(よあらい)と言うそうです。
とにかく、お湯ですすぐことでワックスなどのスタイリング剤を落とすこともでき、また、これによって髪全体に水分を含ませることができ、泡立ちも良くなります。
使うお湯は熱からず、冷たからず、ぬるま湯が良いそうです。
髪質に合ったシャンプーを使う
シャンプーにもいろいろなタイプがあります。
ボトルがおしゃれだからとか、有名ブランドだからといったことではなく、しっかり自分の髪質に合ったシャンプーを使いましょう。
シャンプーには以下のようなタイプがあります。自分にはどのタイプが合うのか、美容師に相談してみると良いでしょう。
シャンプーのタイプ
アミノ酸系
人の肌と同じ弱酸性。保湿力が高く、髪や頭皮に優しいが、汚れが落ちにくいそうです。
石けん系
天然由来の界面活性剤を使用。肌にも環境にも優しくなっています。
アルコール系
泡立ちは良いが、刺激が強いと言われています。
ノンシリコン
軽い仕上がりになるそうです。
シャンプーは使い過ぎず
さあ、いよいよシャンプーを使います。と言っても、たくさん使えばそれだけよく汚れが落ちるというものでもありません。たくさん使っても効果は変わらないそうです。
と言うか、多すぎるとその後のすすぎにもたくさん時間を取られることになります。
適量は髪の量によって違いますが、目安としてショートヘアで1プッシュ、ミディアムヘアで2プッシュ、ロングヘアで3プッシュだそうです。が、プッシュ式のシャンプーではない場合、1プッシュや2プッシュでは分かりにくいです。もう少し具体的に言うと、ショートヘアで5ml、ミディアムヘアで6ml、ロングヘアで10mlだそうです。
ただ、メーカーによって適量も異なることがあるので、シャンプーのパッケージ表示や公式ホームページなどで確認したほうが良いでしょう。
手のひらで泡立てる
シャンプーの量が分かりました。さあ、いよいよ泡で髪を洗います。
ただ、シャンプーボトルから頭に直接シャンプー液をかけたり、手のひらに乗せたシャンプー液をそのまま頭にかけて、それから泡立てるのはあまりオススメできないそうです。
シャンプーを直接頭につけると、すすいでもシャンプー液が頭皮や髪に残ってしまうかもしれません。また、頭皮への負担となってかぶれてしまうこともあるそうです。
そんなわけで、適量のシャンプーを手のひらに乗せ、手のひらの上で十分泡立ててから泡を頭に乗せましょう。
指の腹で優しくマッサージ
頭に泡を乗せたら、ゆっくり頭皮全体・髪の毛全体を洗いましょう。
今さらですが、このときに間違っても爪を立ててはいけません。頭皮に著しくダメージを与えてしまいます。指の腹を使って優しくマッサージするのです。力を入れ過ぎず、あくまでも優しくマッサージします。
洗うのは髪ではなく頭皮
髪の汚れのほとんどはブラシでとかし、予洗いをした段階で落ちています。シャンプーを使う目的は髪ではなく、皮脂による頭皮の汚れを落とすことにあります。
頭皮が清潔に保たれていないと、頭皮の菌が増えて炎症を起こし、かゆみや赤み、フケなどの原因になります。毛穴に炎症が起こった場合も、髪の成長に不具合が生じる可能性があります。
徹底的に洗い流す
シャンプーによる洗髪が終わったら、すすぎ残しがないように徹底的に泡やシャンプー液を洗い流します。少なくとも5分はかけてしっかりすすぎましょう。これも熱からず、冷たからず、ぬるま湯を使います。
シャンプーが残ると、頭皮のトラブル、抜け毛、ニキビなどの原因にもなるかもしれません。顔周り、耳の後ろなどもすすぎ残しのないようにしっかりチェックしましょう。
優しく水分を取る
シャンプーした後、髪を濡れたま放置しておいてはいけません。髪が濡れたままでは、キューティクルがダメージを受けたり、頭皮の雑菌が繁殖したり、生乾きの臭いが発生したりするからです。髪が傷み、抜けたりするトラブルにもつながりかねません。
すすいだ後は、髪も大量に水分を含んでいます。髪を軽く両手ではさみ、根元から毛先に向かって優しく動かし、水分を取ります。濡れている髪はダメージを受けやすいので、乱暴に扱ってはいけません。
優しくタオルを使う
髪を濡れたままにしないため、まずタオルを使います。
とにかくタオルは優しく使いましょう。タオルで頭を優しく、ポンポンと押さえるようにして水分を取ります。また、タオルを頭にかぶせ、指の腹で優しく押さえて頭皮の水分もしっかり取りましょう。
髪の水分も、タオルで優しくはさんで取ります。ゴシゴシと拭いてはいけません。
ドライヤーで乾かす
最後にドライヤーでしっかり乾かします。
タオルで十分に水分を取ったら、後は自然乾燥に任せるという人もいるかもしれませんが、早めにしっかり乾かさないと、頭皮の雑菌が繁殖してしまうかもしれません。
ドライヤーを使うとき、髪に近すぎたり、長時間使うと、これも髪にダメージを与えてしまいます。
大体、頭から20cmほど離して使いましょう。まずは頭皮を乾かし、次に髪の根元、髪の中間、毛先と乾かしていきます。
最後の最後に髪全体に冷風を当て、キューティクルを閉じます。
まとめ
洗髪は入浴するときに行う人が多いようです。ただ、最近は面倒だからと、毎日入浴しない人もいると聞きます。そうなると、洗髪もあまりしないのでしょうか。とにかく、洗髪にはいろいろ気をつけなければいけないポイントがあり、それこそとても面倒ですから。
しかし、やはり「美」というのはそれだけ面倒をかけ、手間暇をかけないと実現しないのかもしれません。
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