美容師の面接対策 よく聞かれる質問と回答例

美容師

美容師になるには、美容師国家資格を取得した後、美容室や美容サロンに就職する必要があります。
資格を取っていきなりフリーランスの美容師になることもできますが、実践的な経験がなければ、続けるのはかなり困難です。と言うのも、美容師国家資格を取得するために通う美容学校は、基本的に美容師国家資格取得のための施設であり、教える内容も「どうやって美容師国家資格を取るか」に重点を置いているからです。
通常、美容師は資格を取得後、美容室などに就職して実務としての美容師の仕事を学んでいきます。
それだけ美容師は高度な技能を要する仕事なのです。

はじめに

美容師になるには、やはり美容室や美容サロンに就職することが重要です。美容師の仕事は高度な技能を要する専門職であり、しかも接客業でもあるので、美容業界ならではの特色もあります。
今回は、美容師になるために就職先の面接で、しっかり押さえておきたいポイントを解説します。しっかり対策を練って面接に臨みましょう!

美容室の面接でよく聞かれる質問とは

美容室の面接で聞かれる質問はいろいろあります。肝心なのは、ウソをつかず、素直に、誠実に、簡潔に答えることです。

「志望動機は何ですか?」

あらゆる職場で必ず聞かれる質問でしょう。
たとえば、正直な答えが「この店は家に近く、給料が高いから」だった場合、そのまま答えると「ということは給料が減るとすぐに辞めてしまうのか」と思われます。「この店は家に近く、給料が高いから」と正直に言ってはいけないというわけではありませんが、それだけでは「採用したい」と思ってもらうには弱いかもしれません。
志望動機は、多少仕事がきつくても長く勤めてくれるかどうかを知るための質問でもあるので、「なぜ美容師になりたいのか」はもちろんのこと、特に「その上で、なぜこの店を選んだのか」を真面目に答える必要があります。

回答例
「ヘアカットなどで容姿を美しくする美容師に昔からなりたいと思っていました。このお店は、地元の方々に愛されていることを知り、私もその一員として温かい接客を通じてお客様を笑顔にしたいと思い志望しました」

「自己PRをしてください」

店は、過去の経験を聞き出して求人応募者の人間性を知ろうとします。仕事に向き合う姿勢を知るためでもあります。

回答例
「美容学校の校内コンテストに参加して入賞したことがあります。そのときの達成感で、ますます美容師の仕事を熱望するようになりました。学生時代は美容室でアルバイトも経験し、チームワークや接客にも積極的に取り組みました」

「体力に自信はありますか?」

美容師の仕事は基本的に立ち仕事であり、身体を動かす仕事でもあるので、体力仕事だと言えます。体力に自信がある場合は、具体的なエピソードを交えてアピールすると効果的です。

回答例
「子どものころからスポーツ好きで、体力には自信があります。今でも休日にはテニスをしたり、泳ぎに行きます」

「接客には自信がありますか?」

接客に自信があると答えると、自信過剰にも思われる可能性があるので、アルバイト時代の接客経験などを話しましょう

回答例
「人と接するのが好きなので、アルバイトでも楽しんで接客していました。そのときに、お客様にもいろいろなタイプの方がいらっしゃることを学びました」
※アルバイトで美容室勤務していた経験を話すと、具体的なエピソードを話すことになりがちです。たとえば「お客様からクレームがあったときのこと」を聞かれることもあるでしょう。素直にその経験も話したほうが良いですが、肝心なのは、クレームにどう対応したかも話すことです。

「長所と短所を教えてください」

あらゆる職場で聞かれがちな質問です。
スタッフとしてどんな活躍を期待できるかを知ろうとする質問でもあります。また、自分自身を客観的にとらえているかも、この質問への回答から推察できます。

回答例
「長所は前向きなところです。失敗してもすぐにあきらめたりせず、反省して次に生かせる工夫を考えて気持ちを切り替えます。
短所は細かいことを気にしてしまう点です。一度気になると、なかなか作業を先に進めません。ですから、できるだけ事前の準備やチェックをしっかり行い、作業が中断しないように努めています」
※長所、短所は人それぞれなので、面接前にしっかり自分に向き合い、把握する必要があります。肝心なのは、長所は「仕事に生かせるようなもの」を話し、短所はそもそもネガティブなものなので、話がポジティブに終わるよう、その短所が仕事の支障とならないような工夫も話すようにすることです。

「難しい顧客の要求があったらどうしますか?」

美容師に限らず、接客業ではいろいろなタイプのお客様を相手にすることになります。お互いに人間なので「合う」「合わない」がありますが、「合わない」お客様に対応する際も、きちんと冷静に、ていねいに対応できるかどうかが大切です。

回答例
「しっかりと話を聞き、何が求められているのかを理解します。まずは考え得る、現実的な解決策を提案します。なかなか納得していただけない場合は、上司や先輩に相談します」
※就職してもすぐスタイリストになれるわけではないので、自分で何でも抱えてしまうのではなく、お客様のことを考えて最上の策を見つけるため、上司らに相談することが大切です。

「ストレスの対処法はありますか?」

どんな仕事でも多くの人が多かれ少なかれストレスを感じていますから、店はストレスへの耐性を知りたいと考えます。

回答例
「できるだけ自分を客観視しようと努めます。深呼吸したりして、まずは気持ちを落ち着かせます。ストレスに押し潰されると負の感情に支配されますから、気持ちを仕事に集中させて1つ1つ取り組むようにしています。そして休みの日には、趣味のスポーツで心身をリフレッシュさせます」

「美容に関する情報はどのように収集していますか?」

美容師は身に付けた技能を振るってお客様に施術するだけではなく、ヘアスタイルなど美容全般の最新トレンドの情報を掴み、お客様に満足してもらえる提案をしていく必要があります。そのため、トレンドに敏感かどうかが重要です。
美容関連の雑誌やネットなどで日常的に美容に関する最新情報にアクセスしているかどうか、店側も気になるところです。

回答例
「昔から美容に興味があったので、美容関連の雑誌を読んでいましたし、今も時間があればネットで検索しています。特に●●●というサイトは情報が早く、しかも正確なので、朝起きると必ずチェックします。それに、美容関連のセミナーにもよく参加します」

「どんなキャリアプランを持っていますか?」

店側は、どんな美容師を理想としているかどんな美容師になりたいのか目標や将来のビジョンをどう考えているかを知りたがっています。どんな美容師になってどう活躍したいのかというビジョンを持っている人は、それだけ熱意を持って仕事をすることが期待できるからです。
また、その人が目指す方向性と、店の方針、方向性が合っているかどうかも確認するためです。

回答例
「内面から人を輝かせることができる美容師にずっと憧れてきました。幅広い技術と向上心、コミュニケーション能力でお客様から信頼される、お年寄りからお子様まで幅広い世代に親しみを持たれる美容師が理想です。ゆくゆくは店長になり、スタッフをまとめてチームワークでお店に貢献できる美容師になりたいと思います」
※独立したい人は、きちんと「将来は独立を考えています」と言ったほうが良いでしょう。スタッフの独立を奨励している店なら、その前提で採用しますし、スタッフには独立せず、長く勤めてほしいと思っている店は採用しない可能性があります。
また、高級志向の店の場合「メディアでも活躍する有名な美容師になりたい」と言っても採用される可能性はありますが、地域密着型の店ではまた違ってくるかもしれません。
どちらにしても、ミスマッチにならないよう、自分の正直な目標を話したほうが良いでしょう。

「何か質問はありますか?」

気になることがあれば、正直に聞いてみましょう。
就職後の研修のこと、1日の仕事の流れ、勤務がスタートする前に準備しておくことなどを聞くと、仕事への熱意があると受け取られるかもしれません。
給料や待遇などについては、問うというより、確認するような聞き方のほうが良いでしょう。また、給料や待遇のことばかりを聞くと、悪い印象を残します。加えて、ホームページなどを見れば分かるようなことを聞くのも避けましょう。予習はきちんとしておくことが肝心です。

回答例
「スタッフ向けの講習会や勉強会は、どれくらい開いていますか? また、どんな内容ですか?」

面接時に気をつけるべきこと

面接は前もってしっかり準備をして臨みたいものです。大事なのは、緊張し過ぎず、気持ちにある程度余裕を持って臨むことです。緊張し過ぎると、焦って変なことを口走ったり、頭が真っ白になって何も言葉が出てこなくなるかもしれません。
そうならないための準備です。

服装と身だしなみ

基本的には、あらゆる職業の面接同様、清潔さが必要です。
ただ、美容師としての面接ですから、おしゃれなトレンドに関心があると印象付けるため、少しはおしゃれなアイテムも身に付けましょう
とは言え、派手になってはいけません。また、髪型も明らかに店の雰囲気に合ってないものは、たとえ最新トレンドでも避けましょう。
メイク、ネイルもナチュラルなものにしておくことが望ましいです。

時間厳守

これまたあらゆる職業の面接で言えることですが、時間厳守です。遅刻はいけません。もし、どうしても遅刻してしまう可能性がある場合、きちんと店側に連絡しましょう。
遅刻厳禁ですが、早く着き過ぎてもいけません。店近くに早く着き過ぎた場合、少し時間をつぶしてから行きましょう。

ハッキリと明るく話す

美容師は接客業でもあるので、スタッフにもハッキリと明るく話すことが求められます。面接のときでも、ボソボソと暗く、聞き取りにくいようでは採用されない可能性があります。

礼儀正しくする

これまたあらゆる職業の面接で言えることですが、社会人としてのマナー、礼儀をしっかりと守るようにしましょう。美容師はカジュアルな服装で仕事をしているので、言動もある程度ラフで構わないと思われがちですが、やはり接客業なので、マナーと礼儀を守る必要があります。
座ったときに足を組むのは失礼ですし、敬語も正しく使わなければいけません。
社会人としてのマナーや礼儀、言葉遣いに自信がない人は、就職活動の前に社会人のマナー講座などに参加しましょう。

まとめ

就職のための面接は、ある意味お見合いです。雇う側と雇われる側が、お互いにマッチし、しっかり手を携えてお客様に最上の施術を提供できるか、見極めようとする場です。できれば、お互い素直に思いや要望、将来のビジョンを提示し合えるかどうか、その糸口を面接という短い時間内に見つけたいものです。
店側のほうが、恐らく人生経験が長いことが多いので、そこにはしっかり敬意を持ちつつ、しっかり自分の考えも伝える必要があります。
そのためにも、念入りに準備をして面接に臨みましょう

コメント

タイトルとURLをコピーしました