美容師はおしゃれな感性で高度な技術を発揮する専門職です。技術の向上には終わりがなく、「死ぬまで修業」という、昔ながらの職人と同じ職業なのかもしれません。
はじめに
美容師に技術の向上は欠かせません。
美容師が技術を向上させると、お客様の満足度が上がり、それは店の集客にも貢献するでしょう。お客様の満足度が上がれば美容師も感謝され、店の集客に貢献すれば、店からも重宝がられます。美容師自身もうれしく感じるでしょう。
恐らく、もっともっと技術を向上させたいと思うに違いありません。
スキルアップ法
美容師が技術を向上させるには、いろいろな方法があります。そのいくつかを紹介します。
ひたすら練習する
何によらず、スキルは練習の積み重ねと継続で向上します。まずは地道に練習するしかありません。こうすれば一足飛びにスキルが向上するという近道があれば良いのですが、なかなかそんなおいしい方法はありません。
美容師のスキルにも得手不得手があるはずです。地道に練習するにしても、「得意なスキルを伸ばす」「不得意なスキルを克服する」など、自分なりの目標を掲げると継続できるかもしれません。
店の研修を受ける
店としてもスタッフにはもれなくスキルアップしてほしいと思っているはずです。美容師に限らず、あらゆる企業で、管理職や人事担当者はそう思っています。
そのため、スタッフ向けにスキルアップ研修やスキルアップ講座を設定していたりします。店のベテラン美容師や人気美容師が講師となって教えてくれます。ぜひ参加しましょう。
外部のセミナーに参加する
美容師のスキルを学べる場は店の研修や講座だけではありません。美容師向けのセミナーを開催している会社などがあるので、そういったものに参加するのも良いでしょう。フリーランスで活躍している美容師や、全国的に有名な美容師のセミナーもあったりします。人気美容師の話を聞けてスキルに触れられるだけでも貴重な機会になるはずです。
自分が勤めている店が、美容師のスキルアップを熱心に推奨する方針なら、参加料などを負担してくれるかもしれませんし、参加している時間を勤務時間扱いにしてくれるかもしれません。
先輩に教わる
自己流で練習したり、セミナーや研修に参加する以外に、日ごろから先輩のスキルを学ぶのも、自身のスキルアップに役立ちます。
スキがあれば、先輩の施術をじっくり見るだけでも良いです。さらに、分からないところは積極的に質問しましょう。
他店の技術を体験する
外部のセミナーに参加することは、日ごろ自分が勤めている店以外の美容師のスキルに触れられるという意味でも貴重な機会です。
しかし、美容師としてスキルアップしたいなら、もっとどん欲にいろいろなスキルに触れると良いでしょう。
美容師とて髪が伸びます。当然、美容院に行くでしょう。その際、自分が勤める店ではない、他店に行くわけです。そこでお客となって施術してもらいます。
それまで体験したことのないスキルに触れることで、新しい発見もあるかもしれません。
他店で接客も体験する
昔から「スキルは見て盗むもの」という考え方がありました。言葉で教えてもらわなくても、そのスキルを見ることで、自分なりにその良いところを吸収するわけです。
他店の美容師の技術を、お客となって体験することは良い勉強になるはずです。
そして、他店に行って「見るべきもの」は美容師の施術スキルだけではありません。その店の接客にも注目しましょう。
とにかくせっかく他店に行くのですから、学べるものは何でも吸収することです。
動画を見る
動画サイトで検索すると、いろいろな美容師がいろいろなスキルを紹介するコンテンツが出てきます。せっかくなのでいろいろ見て、学べるものは学んでしまいましょう。
また、他店の美容師の施術を体験する際、もしもその美容師のスキルがイマイチな場合、まさか目の前の美容師にツッコミを入れるわけにはいきませんが、相手が動画の中の美容師なら、それも可能です。
コンテストに参加する
美容師が参加できるコンテストがいろいろあります。美容関連の組織・団体や企業などが主催するものです。
こうしたコンテストで表彰されれば、美容師として注目されますし、それでお客様の獲得につながるかもしれませんし、何よりも自分の成長を実感できるのでうれしいものです。中には「競争に勝つことの快感」に酔いしれる人もいるでしょう。
コンテストでの表彰は、日ごろの練習の目標になります。コンテスト参加を目指して日々の練習に励むことで、スキルアップも大いに進むに違いありません。また、大勢のいろいろな美容師が参加するはずですから、そのスキルを見るのも良い刺激になります。
ニュースを見る
美容師のスキルはお客様の満足度を上げるためのものです。ですから美容師のスキルは施術スキルだけではなく、接客スキルも含まれるのです。さらに最新トレンドを早く、正確に取り入れられる、情報収集スキルも必要です。
情報収集のためにはニュースを見ましょう。一見、美容に関係のないニュースの中にも、美容の最新トレンドを知る手がかりが隠れているかもしれません。
また、最近は「偏向報道」などと言って、昔ながらの新聞・テレビのニュースを信用しない向きもありますが、きちんと自分でニュースに触れ、事実を見極める感覚を養わなければいけません。
本を読む
トレンドをつかむには、とにかく情報に対してアンテナを張りまくることが大切です。
美容に関する本もたくさん読みましょう。そうやって知識を増やしていくと、ニュースなどを見たときにそこから美容の最新トレンドを得ることも比較的容易になるはずです。
雑誌を見る
スマホの普及で雑誌、新聞などの紙媒体を手にすることも減ってきています。しかし、雑誌を侮ってはいけません。
美容関連の専門雑誌には、美容に詳しい専門のスタッフが集めた情報が分かりやすく網羅されています。
業者の話を聞く
美容関連の仕事をしているのは美容師だけではありません。
たとえば、シャンプーなど美容関連商品のメーカー、商社の社員も美容関連の知識、情報に詳しいはずです。美容の最新トレンドなどの話も聞けるのではないでしょうか。
SNSは当てにしない
基本的にSNSの情報は当てにならないと考えたほうが良いでしょう。見るなら「世間にはこういう情報が流れているのか」という参考程度にしておくことです。
資格を取る
美容関連の資格は、美容師国家資格以外にもいろいろあります。そうした資格を取得してみましょう。
美容師としてのスキルを幅広くしますし、仕事の幅も広がるでしょう。資格取得で広がる仕事をいくつか紹介します。
スパ二スト
スパ二ストは、シャンプーやもみほぐしなどにより、頭皮の洗浄・ケアやリラクゼーションを行うヘッドスパを専門に行う施術者です。今はヘッドスパをメニューに取り入れている美容室も増えていますから、ヘッドスパの協会や団体などで検定を受けるなどして資格を取得すれば、仕事の幅が広がります。
毛髪診断士
毛髪診断士は毛髪に関する知識を持ち、顕微鏡などで毛髪の状態を的確に観察する技術も持っている者のことです。毛髪診断士の仕事は、毛髪についての悩みを持つ人に適切な髪の手入れ法などをアドバイスすることです。
公益社団法人日本毛髪科学協会が発行している認定資格であり、取得するには講習会に参加し、認定試験に合格する必要があります。
この資格を取得できれば、お客様の髪に関して、より深いレベルで提案やアドバイスをできるはずです。
着付け師
着付け師は、着物を手早く、美しく着せる専門職です。
着物を日常生活で着る人は激減しましたが、お祝いごとなどの特別な日に着る人はまだいます。日常生活で着物を着る人が多かったころは、誰もが自分で着物を着ることができましたが、今や「美しく着る」どころか「普通に着る」こともままならなくなっています。
そこで、成人式や結婚式などの特別な日に、着付け師に着物を着せてもらう人が激増しています。
そんな中、着付けをメニューに取り入れている美容室も増えていますから、着付けできる美容師は仕事の幅が広がります。
お客様に着付けを行うのに、特に資格は必要ありませんが、美しく着せるにはやはりきちんとした着付け師資格を持っていたほうが良いでしょう。
着付け師資格には民間資格と国家資格があります。民間資格はいろいろな団体が独自に出しています。着付け師の国家資格は着付け技能士と言って、社団法人全日本着付け技能センターの試験に合格すると取得できます。
メイクアップ
化粧品を使って、お客様の顔立ちや肌質に合わせた化粧を施し、美しく見せるメイクアップアーティストとして仕事をするには、美容師国家資格が必要です。ただ、美容学校では美容師のコースとメイクアップのコースが分かれていることが多いので、美容師としてメイクアップの仕事もしたいなら、改めて民間資格を取ったほうが良いかもしれません。いろいろ団体が独自の民間資格を出しています。
理容師
美容師と似て非なる理容師は、美容師はできないシェービングをお客様に行うことができます。
一方、そのシェービングをメニューに取り入れている美容室が増えているので、理容師国家資格を取得し、美容師の仕事をしながらシェービングを行って仕事の幅を広げている美容師もいるようです。
アイリスト
アイリストは、まつ毛エクステンションやまつ毛パーマなどを施し、お客様のまつ毛を美しくする施術であるアイラッシュを行う専門職です。アイリストとして仕事をするには美容師国家資格が必要ですが、アイリストに関する民間資格もいくつかあります。
アイラッシュ専門のサロンも増えているようですが、アイラッシュをメニューに取り入れている美容室も増えています。美容師の仕事をしながらアイラッシュを行って仕事の幅を広げたいなら、アイリストの民間資格を取得したほうが良いでしょう。
ネイリスト
ネイリストは、ネイルケアやネイルアートを行い、お客様の指先を美しく彩る職業です。ネイリストになるのに絶対に必要な国家資格のようなものはありませんが、あるとネイリストとしての信用が上がる民間資格はいくつかあります。
ネイルケアやネイルアートをメニューに取り入れている美容室も増えています。美容師の仕事をしながらネイルケアやネイルアートを行って仕事の幅を広げたいなら、ネイリストの民間資格を取得したほうが良いでしょう。
マーケティング
美容師として高めたいスキルは、施術スキル、接客スキル、情報収集スキル以外では集客スキルがあります。一般的に集客で強い力を発揮するのはマーケティングです。
そしてマーケティングに関する資格はいろいろあります。マーケティングを学び、集客スキルをアップさせる勉強として、そうした民間資格を取得するのも、美容師としてのスキルをアップさせることになるでしょう。
まとめ
美容師としてスキルアップを図る方法はいろいろあります。美容師としての引き出しを増やす資格も、今回紹介したもの以外にまだまだいろいろあります。
いろいろ挑戦するには、時間はいくらあっても足りないでしょう。やはり美容師のスキルアップに終わりはないのです。
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