美容師になるには美容師国家資格が必要です。美容師国家資格の試験を受験するには、厚生労働省が指定する美容師養成施設で必要な学科・技能を修めなければなりません。
美容師という職業は医師や弁護士ほどの高額給料はもらえませんが、美容師になるにはそれなりの費用と時間がかかりそうです。
はじめに
美容師国家資格以外にも、美容に関する資格にはいろいろなものがあります。そうした資格を持っていても美容師にはなれませんが、美容に詳しくなれそうです。
それに、美容師国家資格ほど、取得するのに費用や時間がかからないものもあるようです。
そんな中からいくつかの比較的簡単に取れる美容系の資格を紹介します。話のタネに取っておくのも良いでしょうし、美容師国家資格を取得したついでに、箔を付けるために取るのも良いかもしれません。もちろん、美容に詳しくなって自身の生活に生かすこともできます。
スキンケアアドバイザー
スキンケアに関する専門知識を身につけ、正しいアドバイスができるようになる、一般社団法人日本スキンケア協会の民間資格です。教本などを使って自宅で講座を受講し、課題レポートを提出して合格すると認定されます。
課題レポートの正答率が70%以上で合格です。受講期間中であれば何度でも提出可能で、気軽に挑戦できるようになっています。
取得費用は44800円で、その後に年会費6000円と資格認定登録料5000円が別途必要です。
佐伯式美肌スペシャリスト
皮膚のしくみ、エイジングケア、肌タイプの見分け方、美容に効く食品や栄養素、化粧品の成分や選び方などに精通しているのが美肌スペシャリストです。美容家の故佐伯チズさんの美容テクニックを習得するためのカリキュラムを学び、受講期間中に、添削課題をすべて提出し、検定試験で80%以上の点数を取れれば合格です。
費用は、一括払いは39000円、分割で39600円です。
AJESTHE美肌エキスパート
一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)が、肌と体の仕組み、栄養や化粧品、セルフケアの仕方などの正しい知識を習得し、実践していくことで、真の美肌を実現することを目的に実施する美肌検定に合格すると認定される資格です。
協会による「美肌検定」公式テキスト(1320円)で勉強し、3肢択一・40問・60分の試験で70%以上正解すると合格します。自宅のパソコンでも受験できるようです。受験には顔写真付き身分証明書が必要。受験料は5500円です。
ヘアセットマイスター検定
ヘアセット、ヘアアレンジを通じて美容業界従事者、世の中の女性が輝いていくことに寄与するための普及、活動を行っている日本ヘアセット・ヘアアレンジ協会(JHHA)が実施するヘアセット検定の1つ。
ヘアアレンジの基礎技術をマスターする実技試験です。3時間の試験対策レッスン(38500円)を受講して受験します。技術に自信がある人は、レッスンを受けずに試験を受けるだけでも良いそうです。試験料は9900円。どちらにしても、1日でヘアセットマイスターになれます。
ジェルネイルプロフェッショナル
一般社団法人日本技能開発協会が認定する資格で、爪の知識からジェルネイルの施術スキルまで身につけたジェルネイルの専門家です。
専用テキストがあれば十分に試験対策ができる30問の出題で、70点以上取ると合格。費用は、テキスト教材+試験で49500円、試験のみで16500円です。
リンパケアセラピスト
日本メディカル心理セラピー協会が、リンパの流れを促進し、健康や美容に貢献する技術を持つことを証明する資格。具体的には、リンパの流れを改善する技術と知識、リンパマッサージなどの技を身に付けることになり、エステティックサロンや医療現場に役立てることができます。
通信教育サービスなどの事業を展開するSARAスクールジャパンによる基本コース(59800円)を受講して受験するか(10000円)、試験免除のプラチナコース(79800円。合格認定証、合格認定カードは別途)を受講すると、資格を取得できます。どちらも最短2か月です。
パーソナルカラープランナー
一般社団法人日本技能開発協会が認定する資格で、パーソナルカラーの基礎知識から色彩心理、配色、パーソナルカラー診断まで幅広く習得することができます。パーソナルカラーとは、その人の生まれ持った色と雰囲気が似合う色のことです。
専用テキストがあれば十分に試験対策ができる30問の出題で、70点以上取ると合格。費用は、テキスト教材+試験で49500円、試験のみで16500円です。
色彩検定資格3級
公益社団法人色彩検定協会による、色の基礎から色の組み合わせ方、専門分野における利用などを幅広く学習する色彩検定の初級者向け。色の働きや色彩調和、色の心理効果など、色彩の基本の理解を問うものです。美容系の仕事では、美容師、ネイリスト、メイクアップアーティストなどに生かせるでしょう。
試験は60分で、合格ラインは200点満点の140点前後だそうです。受験費用は7000円。受験対策には、色彩検定協会の公式テキスト(2420円)を使った勉強が効果的です。
公認インナービューティートレーナー
予防医療、予防美容、栄養学などの学術的研究活動を行う一般財団法人内面美容医学財団(IBMF)が認定する資格の1つ。内面美容全体の理論取得を目的として、最新の水素・酵素栄養学とファスティング(断食)、ミトコンドリアダイエット、その他食育全般の基礎知識を学習する内面美容資格です。内面美容とは、身体の内側の内臓や、メンタル面の調子を整え、身体の中も外も美しくなることを目指す、欧米をはじめ世界で注目されている美容法です。
8時間の講座を受講し、検定試験に合格すると取得できます。受講料は110000円。試験は、Webサイト上で70分100問の選択問題が出されます。
コスメマイスター・ライト
一般社団法人日本コスメティック協会による、一般消費者として正しい化粧品の選び方・使い方を理解するための検定。
化粧品と医薬部外品および薬用化粧品の違い、成分表示など化粧品パッケージの読み方、保管方法、基本的なスキンケアについて出題される、全25問2択式Web試験(無料)を受け、合格し、登録手続き(11000円)を終えると認定証が発行されます。
この他、コスメマイスター、スキンケア・マイスターの検定があります。化粧品関連の仕事に従事できる専門知識の習得を目指すならコスメマイスター、美容医療の総合的な知識の習得を目指すならスキンケア・マイスターの認定をお勧めします。
化粧品成分検定3級
一般社団法人化粧品成分検定協会による、化粧品の成分表示について理解を深めるための検定。
3級は入門編として、日々の生活で役立つ成分知識を手に入れるためのもの。協会のホームページでいつでも無料で受験できます。
ただ、美容関連の仕事に役立てたいなら、2級(受験料7700円)、1級(受験料12100円)に挑戦したほうが良いでしょう。
まとめ
比較的簡単に取れる美容系の資格の中には、1日のセミナー受講、もしくはいきなり受験で得られるものもあります。ただ、身に付くのは基礎の基礎、その分野の入り口をノックするくらいのレベルのものが多いと考えたほうが良いかもしれません。
美容関連の仕事のキャリアアップにつなげたい場合は、やはり楽せず、しっかり勉強して知識や技能を身に付けることを考えましょう。
一方、趣味で美容に関する知識を深めたい人は、手当たり次第挑戦し、家族や友人知人に「美容の専門家」としてもてはやされるのも悪くありません。
コメント