ネイリストを辞めたくなる原因と対策

ネイリストは美容師国家資格のような特別な資格がなくてもなることはできますが、それでも高度な技能を要する専門職なので、専門的な知識と技能を身に付け、それを証明するための民間資格などを取得して就業することが一般的です。

はじめに

未経験で無資格でもOKだという、ネイリストの求人を出している店もあります。そういった店も、入社後の研修制度が整っていて、やはり専門的な知識と技能を身に付けることになります。
入社前に民間資格を取得するにしても入社後に知識と技能を身に付けるにしても、せっかく身に付けた知識と技能ですから、これを生かさないともったいないです。
しかし、そんなネイリストでも、なぜか辞めたくなってしまうことがあるようです。

ネイリストを辞めたくなる理由

どんな仕事でもそうですが、就業する前に思い描いていた仕事と、実際に行う仕事にはギャップがあります。人はそれを「理想と現実のギャップ」と呼んだり、呼ばなかったりします。
特にネイリストの仕事は、おしゃれで華やかなイメージの美容業界の仕事なので、ネイリストになるとおしゃれで華やかな日々を過ごせるとイメージしていしまいがちです。
もちろん、実際のネイリストの仕事は地道で過酷なこともあり、そんな「イメージと現実とのギャップ」で、仕事を辞めたくなってしまう人もいるのかもしれません。

人間関係の悩み

職場での人間関係に疲れてしまうことは、どんな職場でもよくあることです。あまりにもツラいと、これが永久に続くと思ってしまいます。
人間関係に疲れてしまうということは、職場の人たちと自分が「合わない」からかもしれません。
また、ネイリストとして入社して新人の頃は、すぐにお客様の施術を任せてもらえるわけではなく、アシスタントとして先輩の下について仕事を学ぶことになります。この先輩と「合わない」場合も、仕事はとてもツラくなります。

体力的なツラさ

ネイリストの仕事は基本的に座り仕事ですが、長時間同じ姿勢で同じような作業を続けるため、腰や肩に負担がかかり、手や目の疲労も大きく、精神的にも疲れます。
この体力的なツラさが毎日積み重なり、おまけに勤務時間が長く、休日が少ないなどの待遇面でのツラさが重なると、どうしても仕事を続けられないという気持ちにもなってしまいます。

待遇の悪さ

ネイリストに限らず、美容業界は特に若いうちは低収入であることが多いようです。加えて勤務時間が長く、休みが少ないことも珍しくありません。
せっかくおしゃれで華やかなイメージの仕事に就いたのに、おしゃれで華やかな私生活を楽しむ余裕はないわけです。それでつい「辞めたい」と思ってしまうのかもしれません。

スキルアップしたい

人は必ずしも仕事が嫌になったり、職場が嫌になったからだけで仕事を辞めようと思うわけではありません。前向きな理由で辞める決心をすることもあります。
例えば、「今の職場ではもう自分を成長させるものがない。ここでできることはすべてやり切った。自分をレベルアップさせるため、違う環境に移りたい」といった動機です。

独立したい

中には「ネイリストになりたい」を決めた当初から「将来はネイリストとして独立開業する」と考えている人もいます。
そんな人はどれほど居心地の良い職場でも準備が整えば店を辞め、独立して自分の店を開業するでしょう。

辞めたくなったときにすること

仕事を辞めたくなったときが絶好の辞めどきかもしれませんが、「その店でできることはやりきった」「独立したい」という理由以外で辞めたくなった場合、辞めたくなったからと言ってすぐに仕事を辞めてしまったら、実は大富豪でありあまるほどのお金を持っているのでもなければ、遅かれ早かれ生活費に困ることになります。
それに何よりも、せっかく身に付けたネイリストとしての知識や技能を使わなくなるのはもったいないです。

自分と向き合う

まずは自分と向き合ってみましょう。「辞めたい」と思ったのはもしかしたら一時的な感情で、よくよく考えてみたら「そこまでのことでもない」と思えるかもしれません。
一番大事なことは「辞めたくなった理由」を考えてみることです。

理由が改善するかを考える

「辞めたい」と思った理由が思いついたら、次はその理由が改善し、「辞めたい」と思える理由が消える可能性を考えてみましょう。
例えば、低収入が嫌で辞めたくなった場合、数か月後に昇給する可能性はゼロなのか。もしくは、給料はしばらくそのままとしても、出費を抑えられる方法を思いつくということもあるでしょう。
体力的にきついから辞めたくなった場合、身体を鍛えていけば、それほどきついとは感じなくなるかもしれません。
改めて身体を鍛えなくても、体力的にきつい仕事にも身体が「慣れてくる」可能性があります。何にせよ、「イヤだなあ」「苦しいなあ」と思う状況が永遠に続くわけではありません。少し肩の力を抜いてみるのも１つの方法です。

転職を考える

「辞めたい」理由が解消したり、この先解消する見込みがなさそうなのであれば、素直に転職を考えるのも１つの方策です。転職するにしても、職場を変える、つまり他のネイルサロンに再就職するという方法もありますし、ネイリスト以外の美容関係の職業を探す方法もありますし、全く違う業種に飛び込む方法もあります。
じっくり、自分に合った道を探しましょう。

まとめ

人はいろいろな理由で「仕事を辞めたい」と思います。給料が理由になることもありますが、給料は就職する前からいくらもらえるのか分かっていたはずです。それでも就職前は、その金額で何とかやっていけると思えていたので、実際には予測が甘かったのか、「これでは足りない」現実に直面したりするわけです。
何にしても「辞めたくなってしまった」ものは仕方ないですし、この先もまた「仕事を辞めたい」と思うことは起こるかもしれません。ただ、少なくとも次は同じような理由での同じような展開にはしないように心掛けたほうが良いかもしれません。