アイリストは、お客様のまつ毛を美しくする専門職です。まつ毛エクステンションやまつ毛パーマなど、まつ毛を美しくするアイラッシュという施術を行います。
はじめに
アイリストは、美容意識の高まりとともに昨今注目されている職業の1つです。高度な技能を要する専門職なので、アイリストとして活躍するには高度な技能を身に付けなければいけません。
それは簡単ではありません。
アイリストとしてキャリアアップするにも、地道な努力の積み重ねが必要です。
アイリストの成り立ち
もともと「まつ毛を美しくする」方法と言えば、ビューラーでまつ毛を上げたり、マスカラでまつ毛を太く長く見せたりすることがメインでした。マスカラは1913年にアメリカで誕生したと言います。
また、まつ毛をボリュームアップするために人工のまつ毛を付ける「つけまつ毛」は1947年に日本で発売されたそうです。
自分のまつ毛1本に人工のまつ毛1本を装着していくまつ毛エクステンションは、1980年ごろに韓国で誕生したと言われています。
まつ毛エクステンションは2000年代に日本にも上陸し、広まり、まつ毛を美しくする専門職「アイリスト」が誕生しました。ですが、まつ毛エクステンションの普及に伴い、まつ毛エクステンションの装着によって「目に異常が起こる」など、安全面での問題が起こりました。
こうして2008年、アイリストになるには美容師国家資格が必要になったのです。
現状
アイリストの歴史は、美容の歴史の中でも比較的浅いと言えます。そのため、まだまだ伸びしろがあるのです。
まつ毛エクステンションは、1度付けると2週間~1か月くらい持ちます。それも自然な仕上がりで目元を美しくでき、そのため目元のメイクアップにかける時間を短縮できます。
そんなメリットがありながら、安全面での問題もあったので、まだ普及の余地が残っているわけです。近年、教育面も充実してきているので、今後のさらなる発展が期待できます。
将来性
まつ毛エクステンションは安全面の向上とともにゆるやかに需要が高まっています。都市部を中心に、アイラッシュを行うサロンや、アイラッシュのメニューを設定する美容室なども増えています。まつ毛エクステンションの種類も形、太さ、長さ、素材などのバリエーションがどんどん誕生しています。
さらに、従来は女性向けに行われることが多かったアイラッシュが、このところ男性からも注目されています。
まつ毛エクステンションが注目され、アイリストの活躍の場も増えていることで、アイリスト不足にもなっています。
今からでもアイリストを目指せば、業界の花形になれるかもしれません。
キャリアアップの道
アイリストとして活躍するとしたら、どんなキャリアがあるのでしょうか。
必要な資格
アイリストとして活躍するには、まずは美容師国家資格が必要です。美容師国家資格の取得試験を受験するには、厚生労働省が指定する美容師養成施設、つまり美容学校に通い、必要な学科・技能を修めなければいけません。
しかし、美容学校はあくまでも美容師国家資格を取得する勉強をするところであり、必ずしもアイリストに必要な知識と技能を教えてくれるとは限りません。
アイリストは、まつ毛エクステンションを装着する際も、高い集中力が必要です。まつ毛エクステンションの装着は単調な作業の繰り返しであり、目のすぐそばで接着剤やピンセットを使うので、誤って眼球を傷つけてしまわないよう、最大限の注意が求められます。
アイリストはそれだけ専門性の高い仕事ですから、アイリストになるなら、アイリストになるためのカリキュラムが充実している美容学校に通うのが良いでしょう。
また、アイリストの技能を専門に教える学校もあります。
美容学校で美容師国家資格を取ってから、店やサロンに勤めて仕事しながら、アイリストのための専門学校に通って勉強する人も多いようです。
もしくは、美容学校と連携しているアイリストの学校に通って、美容師の勉強とアイリストの勉強を同時に進めるか、アイリストの学校に通いながら自分で工夫して美容学校にも通うか、学び方はいろいろあります。
スキルアップ
美容は流行と密接に関係していて、アイラッシュも流行に左右されます。アイリストは、一度知識と技能を身に付けたからと言って安心せず、新しい知識と技能を常に求め、勉強しなければ、お客様からの信用を失うことにもなります。
アイリストは常にスキルアップを目指していないといけないのです。
アイラッシュサロンの中には、美容師国家資格を持っていれば仕事は未経験でも採用してくれるところがあるようです。それだけアイリストの需要が高まっています。
しかし、未経験者を採用する店ならどこでも良いわけではありません。入社後の教育をしっかり行う店でなければいけません。
また、アイリストには民間資格もあります。例えば、日本まつげエクステンション協会のJLAアイデザイナー技能検定、日本アイリスト協会のJEAアイリスト技能検定、日本まつげエクステンション認定機構の技能検定、NEA日本まつげエクステ協会のプロアイリスト検定などです。
アイリストの仕事は美容師国家資格を持ってさえいればできますが、長く仕事を続けるには、そうした民間資格を取得したり、日ごろからスキルアップに努め、お客様から信頼される必要があります。
仕事を兼務
美容は流行と密接に関係していて、アイラッシュも流行に左右されます。現在、アイリストの需要は高まっていますが、長い目で見ると、また違ってくる可能性がないとは限りません。
美容業界にはアイリストの他にもネイリスト、エステティシャンなど、さまざまな仕事があります。ネイリスト、エステティシャンとして仕事をするのに美容師国家資格のような特別な資格は必要ありませんが、ネイリスト、エステティシャンとしての知識と技能を証明する民間資格はいろいろあります。
早いうちからこうした民間資格も取得しておけば、多彩なメニューを設定している美容院に就職して美容師、アイリスト、ネイリスト、エステティシャンを兼務して活躍することもできます。
多彩な知識と技能を持っていれば、どこに行っても重宝されます。
管理職に昇進
アイリストは高い集中力が必要な体力仕事でもあります。歳を重ねると、経験の積み重ねによってスキルアップできますが、身体を鍛えていないと体力的にツラくなる可能性もあります。
そのため、アイリストとして第一線で仕事を続けるのではなく、管理職になって人事や人材育成、店の経営などに携わっていくのも、1つのキャリアアップです。
講師を勤める
店の中で管理職に就いても、人材育成などの教育に携わることになりますが、専門的に講師として活躍するのも、積み重ねた経験を生かすキャリアアップの1つです。
アイリストの各団体では講師資格を発行しているところもありますから、そうした団体に所属して講師資格を取得し、アイリストの専門学校やイベント、セミナーなどで講師を務めるのです。
独立する
積み重ねた経験で、独立して開業するアイリストもいます。
独立開業する場合、アイリストとしての高い技能はもちろんのこと、集客力、経営力なども必要です。開業資金も必要ですし、関係各所への申請、届け出などもしなければいけません。
経営者となると、自分の理想の店作りをできますが、成功するには、経営者に必要なあらゆることを勉強しなければいけません。
まとめ
美容業界でも注目されているアイリストという職業ですが、キャリアアップを成功させるには、日ごろの地道な努力の積み重ねが必要です。アイリストとしてのスキルアップの他にも、新しい情報、知識、技能の獲得に努め、さらに長い目で見れば人材育成、経営などにも興味を持って、自分を成長させることが肝心なようです。
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