メイクアップアーティストにはどうやってなれるの? 必要な資格や就職先とは

美容師、エステティシャン、ネイリストなど、美容に関わる仕事はさまざまですが、メイクアップアーティストもその1つです。
でも、メイクアップアーティストって、どんな仕事なのでしょう?

はじめに

メイクアップアーティストは化粧品を使って、お客様の顔立ちや肌質に合わせた化粧を施し、美しく見せる職業です。テレビ、映画、雑誌、舞台などで女優やモデル、タレントに化粧したり、あるいは一般のお客様などに化粧します。
自分で自分の髪を切ったりすることはあまりありませんから、理容師や美容師になるのは大変そうですが、化粧は普段自分で自分にするので、理容師や美容師になるより、化粧、すなわちメイクアップを仕事にするほうが簡単そうです。ただ、アーティストと付いているので、実際はどうなのでしょう?

メイクアップアーティストの仕事とは

ざっくり言うと、メイクアップの技術を駆使して人を美しくするのがメイクアップアーティストの仕事です。
細かくは、職場、すなわち就職先によって違ってきます。

メイクアップアーティストになるには

メイクアップアーティストになるのに、特別な資格は必要ありません。ただ、メイクアップと同時にヘアスタイリングも行うヘア・メイクアップアーティストの場合は、美容師国家資格が必要です。美容師国家資格の試験を受験するには、厚生労働省が指定する美容師養成施設で必要な学科・技能を修めなければなりません。
また、メイクアップの技術を駆使する仕事をするためには、しっかりした技術を身に付ける必要があります。
多くの美容師養成施設、すなわち美容学校でメイクアップの技術を学ぶことができますし、メイクアップアーティスト専門学校というところもあります。
ちなみに、美容学校でヘアスタイリングも学び、美容師国家資格を取得したほうが、メイクアップアーティストとしての仕事の幅も広がりますし、就職先の選択肢も広がります。

メイクアップアーティストの資格

メイクアップアーティストは技能職なので、資格を持っていたほうがお客様の信頼を得やすいですし、就職の際も有利です。
美容師国家資格もその1つです。メイクアップアーティストの求人の条件に、美容師国家資格を持っていることを挙げるところもあるようです。
また、メイクアップアーティストの高い技能を証明してくれる民間資格がいくつかあります。

JMA日本メイクアップ技術検定試験

日本メイクアップ技術検定協会(JMA)が、メイクアップを職業として志す人や職業としている人の技術力、接客力、知識力を高めることを目指し、JMAが定める正しいメイク基準を基本として実施している実技検定試験です。
スキンケアからベースメイクアップと、チーク・ハイライト・ローライトまでの基本技術を審査する3級、スキンケアからフルメイクアップの過程と仕上がりを審査する2級、モデルの悩みや要望に沿って、イメージメイク技術を審査する1級があります。ただ、受験者がモデルを手配しなければいけません

IBF国際メイクアップアーティスト認定試験

国際美容連盟(IBF)による認定試験。IBFが指定する各スクール所定のカリキュラムを修了し、修了証書を持っている者でなければ受験できません
合格すると、国際的に共有できるメイクアップに関する知識、技術の基本を理解し、実際にメイクアップをすることができることをIBFが認定したことになります。資格取得者は、IBFから就職や開業、フリーランスとしての活動などに関わるさまざまな支援を受けることができるそうです。

MSOJ認定メイクアップ検定

一般社団法人日本メイクアップ連盟(MSOJ)が、メイクアップアーティストとしての資質を高めていくためには、基本となるメイクアップの正しい知識と技術が必要であると考え、基準となるように設けた資格検定制度です。検定3級検定2級検定1級認定講師の4つがあります。
1級は基本の理論と技術でナチュラルメイクをできるレベル、2級は印象が変化するナチュラルメイクをできるレベル、3級は「サロン」「ウエディング」「映像」の各カテゴリーで、接客マナーを含めてプロフェッショナルのメイクアップアーティストとして仕事できるレベル、認定講師は国際的に通用するメイクアップ技術を指導できるレベルとなっています。

メイクアップアーティストの就職先とは

メイクアップアーティストの職場は、普通に自分で自分に化粧をする以上の技術や感性が求められるメイクを行う場です。単にメイクをするだけで技術や感性が不要なら、アーティストと言わずメイクアップストとかメイクアッパーといった名前になっていたことでしょう。

美容室

結婚式、成人式、パーティなどの特別な日のためのメイクをヘアセットと込みで受けている美容室や、テレビや映画、雑誌などのヘアメイクの仕事を受注している美容室では、メイクアップアーティストを雇用しています。美容室で仕事をする場合、美容師を兼業できる人材を求めることも多いので、美容師国家資格を取得しておいたほうが有利です。

メイクアップ事務所

テレビや映画、雑誌などのヘアメイクの仕事を受注している事務所やプロダクションがあります。そうしたところに就職し、メイクアップアーティストとして活躍する人も多いです。
ちなみに、例えばゾンビのメイクなどを行う、いわゆる特殊メイクアーティストも、広義ではメイクアップアーティストですが、特殊メイクアーティストになるなら、専門の工房、プロダクションのようなところに就職するか、特殊メイクアーティストに弟子入りするといった方法が考えられます。美容系のメイクアップ学校で特殊メイクのカリキュラムを持っているところもありますし、映画・芸術系の専門学校で特殊メイクのカリキュラムを設けているところもあります。

結婚式場

メイクアップアーティストの仕事には、結婚式や披露宴を迎える新婦にメイクアップするものもあります。これ専門のメイクアップアーティストをブライダルメイクアップアーティストと言います。
ブライダルメイクアップアーティストは、結婚式場やホテルと契約しているプロダクションから派遣されることもありますし、結婚式場やホテルに雇用されていることもあります。
結婚式場に入社してメイクアップアーティストとして活躍する道もあるわけです。

撮影スタジオ

撮影スタジオでは、プロのカメラマンが依頼に応じて成人式や結婚式などの写真を撮影します。中には、せっかくだからメイクアップも専門家にやってほしいという要望もあり、そうした要望の多い撮影スタジオでは、メイクアップアーティストを雇用していたり、メイクアップ事務所と契約しています。

化粧品メーカー

化粧品メーカーでは、デパートの化粧品売り場などでお客様に自社商品をアピールするために、メイクアップアーティストを自社から派遣することがあります。
また、自社商品の宣伝のための写真を撮影する際、モデルのメイクを自社のメイクアップアーティストに担当させることもあります。

独立開業

美容室で経験を積んだ後、独立して自分の美容室を開業する美容師がいるように、メイクアップアーティストにも独立開業する人がいます。フリーランスのメイクアップアーティストとして活躍したり、自分でメイクアップ事務所を構えるわけです。

メイクアップアーティストの収入は

メイクアップアーティストの収入は勤務形態、経験年数、勤務先の規模などによって大きく違ってきます。ただ、平均月収は約24.6万円平均年収は397.7万円と言われています。
美容室やヘアメイク事務所に勤務する場合、最初はアシスタントなので、年収も100万円~150万円と低く、スタイリストになると年収約500万円を稼ぐ人も出てくるようです。
化粧品メーカー勤務は平均年収240万円~350万円ほどで、比較的安定しています。
独立してフリーランスになると、経営センスがモノを言い、年収1000万円を超えるようになる人もいるかと思えば、収入が低い上に不安定だという人もいるようです。

メイクアップアーティストのメリットとは

メイクアップアーティストのメリットの1つは、「オシャレなイメージの仕事」をできることでの満足感を味わえることです。周囲から「オシャレな人」だと思われることもあります。
お客様を自分の技術で変身させられることも、満足感を味わえるポイントになり得ます。メイクアップアーティストは「オシャレなイメージの仕事」であると同時に「クリエイティブな仕事」でもあるわけです。
また、メイクアップアーティストはいろいろな人にメイクしますから、いろいろな人と関わることになります。成人式や結婚式など、その人の「特別な日」に関わり、喜んでもらえることはやりがいにもなります
俳優やタレント、モデルなどの有名人にメイクすることが仕事になる可能性もあります。何だか自分自身が「特別」になったような錯覚をしてしまいそうです。

メイクアップアーティストのデメリットとは

メイクアップアーティストは技術職なので、経験を積んで技術が向上していきます。そのため、最初はアシスタントとして先輩の仕事の準備や片付けなどを行う期間があったりします。その期間は給料も低いので、ツライと言えばツライかもしれません。
また、メイクアップアーティストは基本的に立ち仕事なので、体力仕事でもあり、体力に自信のない人にとってはツライです。

メイクアップアーティストの将来性は?

メイクアップアーティストの将来性は非常に高いです。
女性だけではなく、美容に関心を持つ男性も増え、全体的に美容に関する需要が高まっているからです。
今後は男性に対するメイクアップの仕事も増えるでしょう。また、高齢化が進み、高齢者が増えている中、高齢者にメイクアップによって元気になってもらうメイクセラピーの需要も高まっています。

まとめ

メイクアップアーティストになるのに、特別な資格は必要ないので、「オシャレな美容関連の仕事」に就きたいと思っている人にとっては、比較的にハードルは低いかもしれません。
その一方で、メイクアップアーティストも特別な技術を要する専門職なので、技術の向上によって高収入独立開業などのいろいろなキャリアがあり得ます。美容関連全般に対する需要が高まっている中、将来性も明るいと言える仕事です。

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