美容師がシャンプー中に「かゆいところはないですか?」と聞いてくる理由

美容師


美容師がシャンプー中に「かゆいところはないですか?」と聞いてくるのも、もしかしたら何か理由があってのことかもしれません。

はじめに

美容室で美容師にシャンプーをしてもらっているとき、「かゆいところはないですか?」と聞かれたことのある人は多いのではないでしょうか。理容室で理容師も同じように聞いてくるので、この質問は幅広い世代で性別に関係なく耳にしてきたものではないかと考えられます。
毎回同じことを聞かれるのに、なぜか毎回「どう答えようか」とドキマギしてしまう、なんて人もいるはずです。

聞かれたときの反応

美容師とて人間です。ハサミと櫛を持ったロボットではありません。質問されたからには無視したりすると失礼に当たり、人としてどうかと思われます。美容師から「かゆいところはないですか?」と聞かれたとき、無視するのはやめましょう。

ない

頭髪と頭皮を洗浄され、頭のどこかがかゆくなるということはあまりありません。たとえ、洗髪前に多少かゆみがあっても、頭を優しくマッサージされ、ちょうど良い加減のお湯で泡を流してくれている間に治まってしまいます。
「かゆいところはないですか?」と聞かれても「かゆいところ」はないので、そのまま素直に「ない」と答えます。

ある

「かゆいところはないですか?」と聞かれて「かゆいところ」はない場合、そのまま素直に「ない」と答えます。もし「かゆいところ」があった場合は「ある」と答えましょう。
恐らく続けて「どのあたりがかゆいですか?」と畳みかけてきます。そんなときも「頭のてっぺんあたり」とか「右耳の少し上」とか「頭全体」とか、具体的に答えると、その「かゆいところ」をかいてくれて心地良いです。
わざわざ「どのあたりがかゆいですか?」と言わせるのもなんなんで、最初から「頭のてっぺんあたりがちょっとかゆいです」などと具体的に言うとお互いに手間も省けます。

あるけど言いにくい

通常、誰かの体のどこかをかくのははばかられるものです。たとえば、父親に「背中がかゆいからかいてくれ」なんて言われても、広い背中のどのへんがかゆいか分からないので、かきながら「もっと右」とか「もっと左」とかいちいち言われるのもわずらわしいですし、そもそも何か抵抗があったりします。
積極的に誰かのどこかをかきたくないので、「かゆいところがあればかく」と言われ、たとえ「かゆいところ」があっても多くの人は「特にない」なんて答えてしまいます。美容師に自分の頭をかいてもらうと、美容師に嫌な思いをさせるはずだと考えるわけです。
そんなわけで、「かゆいところはないですか?」と聞かれると約8割が「ない」と答えるそうです。

「かゆいところはないですか?」と聞く理由

「かゆいところはないですか?」と聞かれ、たとえ「かゆいところ」があってもほとんどの人が「特にない」と答えるなら、そもそも「かゆいところはないですか?」と聞かなくてもいいような気がしなくもないです。しかし、今日も日本中の美容室、それに理容室で美容師や理容師がシャンプーしながら「かゆいところはないですか?」と聞きます。なぜでしょう?

かゆいところがないかの確認

通常、美容室で美容師の施術を受けているときは、カットクロスという布を着ていることもあって、手を自由に動かすのはちょっと難しいものです。美容師がカットをしている最中、頭がかゆくなったからといって手を頭のほうにやると、ハサミが当たるかもしれないので危険ですし、カットクロスから腕を伸ばすと、カットした毛が袖などに付くかもしれません。
そんなわけで、お客様は「頭をかきたい」と思ってもしばらく我慢しなければいけません。だからこそ、シャンプーのタイミングで、ちょうど良いから「かゆいところがあったらお客様に代わってかいてあげよう」と、美容師が思っても不思議はないでしょう。
美容師が「かゆいところはないですか?」と聞く理由は、シンプルに「思いやり」なのです。

洗い足りないところの確認

「かゆい」場合、「洗い足りていない」ことが多いそうです。
そのため、美容師が「かゆいところはないですか?」と聞くのは、「洗い足りないところがないかどうか」の確認でもあるようです。

シャンプーが終わる合図

美容師が「かゆいところはないですか?」と聞くのは、たいていシャンプーがそろそろ終わるというタイミングなのだそうです。だから、美容師が「かゆいところはないですか?」と聞いてきたら「シャンプーがそろそろ終わる」と考えても良いわけです。
シャンプーは、子どものころは親にやってもらっていたかもしれませんが、誰かにやってもらうのは大人になってからだと美容室に行ったときくらいです。頭皮を優しくマッサージしてもらえるので、なかなか心地が良いです。美容師に「かゆいところはないですか?」と聞かれ、シャンプーをそのまま続けてほしい場合は「左耳の上あたりが少しかゆい。あ、そうそう。次は右の同じあたり。それから頭全体」なんてリクエストすれば、心地良いシャンプーの時間が多少引き延ばせるでしょう。

シャンプーが肌に合わないかの確認

シャンプーが肌に合わないと、かゆみが出てくるそうです。ですから、美容師が「かゆいところはないですか?」と聞くのは、シャンプーが肌に合わないかどうかを確認するためでもあるようです。
ですから、特に初めて行った美容室で美容師から「かゆいところはないですか?」と聞かれたら、なるべく正直に答えたほうが良いです。

コミュニケーションのため

美容師は接客業でもあります。美容師はお客様に快適に施術を受けてもらい、その結果にも満足してもらえるように努めます。
それで美容師は極力お客様とのコミュニケーションを密にし、お客様の好み、髪質、肌質、要望などさまざまな情報を得ようとします。そのために通常、施術の前にカウンセリングを行います。
ただ、シャンプーを行うのは通常、アシスタントであることが多いです。アシスタントとしてそれなりに経験を積んだ人もいますが、経験が浅い人もいます。そんなアシスタントは些細なことでもきちんとお客様とコミュニケーションを取り、接客術を向上させようとします。そのためにシャンプーが終わりそうなタイミングで「かゆいところはないですか?」と聞くこともあるわけです。「左耳の上あたりが少しかゆい」「ここですか?」「もう少し上」なんていう会話から話題が広がっていくかもしれません。
もちろん、経験を積んだスタイリストも、さらに密なコミュニケーションのために「かゆいところはないですか?」と聞くこともります。

まとめ

できれば美容室では静かに過ごしたいと思っている人もいるでしょう。コールセンターなどに勤め、仕事中は絶えず誰かとしゃべっている人は、オフのときくらい誰とも会話せずに過ごしたいかもしれません。
美容院でそれなりの時間、椅子に座って美容師の施術に任せ、ひたすら静かに過ごして心身を休めたいと思いつつ、心地良いシャンプーに身を任せていると、突然美容師から「かゆいところはないですか?」と聞かれると、無視するわけにもいかず、何となく「ない〇×▽◇♯♯です」なんて面倒くさそうに答えたりしてしまいます。
しかし、美容師には美容師の理由があって「かゆいところはないですか?」と聞くのです。きっと明日も明後日も、美容師はシャンプーしながら同じことを聞いていくでしょう。

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