美容師がお客様との会話で気をつけるポイントとは

美容師

美容師は、お客様に施術するとき、いろいろやることがあります。忙しいです。
一方、お客様は、美容師を全面的に信頼し、施術は美容師に任せます。特にやることもありません。退屈です。退屈なので、美容院に備えてある雑誌なんかを読みます。
しかし、中には美容師との小粋な会話を楽しみたいというお客様がいるのです。

はじめに

美容師は接客業でもあるので、お客様とのコミュニケーションは大切です。美容師との小粋な会話を楽しみたいというお客様が美容室に来て、美容師との小粋な会話を楽しめなかったら、その美容室や美容師に失望するかもしれません。
今回は、美容師がお客様に楽しんでもらえる会話をするためのポイントを紹介します。

美容室での会話の目的とは

基本的に会話は、相互理解を目的とした対話と違いますから、浅く広い話になりがちです。

楽しんでもらう

美容師は接客業でもあるので、美容師はお客様を「おもてなし」します。お客様が施術中「静かに過ごしたい」と思えば、美容師はそのように心掛けますし、「おしゃべりを楽しみたい」と思えば、お客様に楽しんでもらえるようにします。
とは言え、美容師はお客様のヘアカットなどをしていて、手を使っています。しかし、口は空いていますから、おしゃべりでお客様をもてなし、楽しませようとするわけです。

快適に過ごしてもらう

お客様に楽しんでもらうということは、快適に過ごしてほしいという気持ちの表れでもあります。ですから、お客様が「静かに過ごしたい」と思うのであれば、美容師も会話を控える必要があります。
また、会話を楽しんでもらう場合にも、「快適に」ということを考えて気をつけなければいけないポイントがあります。
美容師とお客様の関係は、いわゆる友達ではありません。美容師の友人がお客様として来店し、施術してもらうことになったら美容師とそのお客様の関係は友達と言えますが、それはまた別の話です。ただ、会話は、職場の上司や同僚とするより、友人とするほうが楽しかったりします。
美容師はスーツなどの固い恰好ではないことが多く、お客様ともついフレンドリーに接してしまいがちです。しかし、美容師とお客様は友人関係ではありません
すなわち「馴れ馴れしくし過ぎない」ことが大切です。

お客様を知る

会話ではいろいろな情報が飛び交います。そのため、美容師はお客様との会話から、多くの情報を得ることができます。
どんな施術を望んでいるかといった具体的な情報も含まれますし、お客様の人柄、好みなど、会話から察することができる、抽象的な情報もあります。
美容師はお客様の満足度を上げて常連になってもらうことが重要ですから、失礼のないレベルでいろいろな話を引き出しつつ、話し方や表情などからお客様への理解を深め、お客様の満足度向上に努めましょう。

避けたい話題

美容師にとってお客様との会話は、お客様への理解を深める貴重な機会ですが、馴れ馴れしくしてお客様を不快にさせてはいけません。同様に、お客様を不快にさせる可能性のある話題も避けたいものです。
また、思わず話に熱が入ってしまう話題は避けたほうが良いです。白熱して議論になったりすると、理性が吹き飛んで失礼な発言をしてしまう可能性が出てきます。施術に集中できなくなる可能性もあります。

政治

政治には信条や価値観が大きく反映されます。そして美容にはあまり関係ありません。
仮に政治の話で盛り上がったとして、お客様から政治的な同志だと認識されると、どの候補者に投票するかといった際にもめる原因にもなりかねません。
もし、支持する政党がお客様と違っていた場合は、最初からもめごとに発展する可能性もあります。
政治には信条や価値観が関わっているだけに、白熱した議論になりやすいです。こじらすとかなりこじれます。
政治の話題は避けたほうが無難です。

スポーツ

スポーツには好みが大きく反映されます。もちろん美容にはあまり関係ありません。
仮にサッカーの話で盛り上がっても、応援するチームが違う場合は反発し合うかもしれません。
これも、こじらすとかなりこじれます。スポーツの話題は避けたほうが無難です。

宗教

宗教こそ、政治以上に信条や価値観が大きく関わってきます。人によっては、宗教が人生を左右していることもあります。
断然、宗教の話題は避けるべきです。新興宗教に勧誘されても面倒ですし、逆に新興宗教に勧誘されると誤解されるのも面倒です。

お客様のプライベートなこと

美容師はお客様の友達ではありません。馴れ馴れしく接するのは良くありませんし、施術に関係のない、お客様のプライベートなことを聞いてはいけません。
もちろん、お客様が率先して話すなら構いませんが。

自分のプライベートなこと

お客様に、むやみにプライベートなことを聞くのは失礼なので、避けなければいけません。同様に、美容師が自分のプライベートなことをいろいろ話すのも、お客様にとっては迷惑な可能性があります。

自慢話

美容師がお客様に自分のプライベートなことをいろいろ話すのは避けるべきですが、プライベートではない、例えば仕事上のこと、美容に関連することでも、自慢話は避けましょう。どんな種類の自慢話でも、誰もが他人の自慢話はあまり聞きたくないものですから。

盛り上がる話題

美容師がお客様とする会話には、避けるべき話題がありますが、「これなら盛り上がることが多い」という話題もあります。
情報を話題の入り口にすることもできますから、日ごろからいろいろな分野での最新情報の収集に努めましょう。

グルメ情報

「あの飲食店が良かった」とか「あのメニューが美味しかった」「駅前にこんな飲食店ができた」といった、グルメの話題はとても当たり障りがなく、接客での「ちょっとした話題」にはもってこいです。
食べ物や飲み物には、多少は価値観の違いも出てきますが、「好みは人それぞれ」で議論を避けることもできます。

美容情報

美容のプロとして、美容に関する最新情報などを話しましょう。場所柄、美容に関する話題を嫌がるお客様は少ないはずです。
「美容に良い食べ物」といった、グルメ情報との合わせ技も効果的です。

健康情報

美容は健康あってこそなので、健康に関する話題を嫌がるお客様も少ないと言えます。
これも「健康に良い食べ物」など、合わせ技を使えます。

地元情報

グルメ、美容、健康をひっくるめて地元情報も、興味津々で会話してくれるお客様が多いだろうと言えます。

趣味

お客様との会話がある程度盛り上げれば、お客様の趣味を聞き出すことができるかもしれません。
また、例えば美容師のほうから昨日見たドラマでの登場人物の髪型に触れたとき、お客様が「ドラマの話題」に乗ってきて、そこから話題が広がる可能性もあります。
趣味は好みが大きく関わっているので、これもいざというときは「好みは人それぞれ」で逃げることができます。

旅行

趣味の話題の1つかもしれませんが、旅行の話も当たり障りなく、しかもそれなりに多くの人が関心を持っているものなので、接客での話題として重宝されています。

時事ネタ

情報収集のアンテナを広げていると、恐らく時事ネタは必ず入ってくるはずです。その中から政治やスポーツ、宗教の話題は外し、当たり障りのない会話で盛り上がりましょう

会話を盛り上げるコツ

美容師がお客様とする会話には、「これなら盛り上がることが多い」という話題もありますが、話し方によってはお客様を不快させてしまうこともあります。

話すより聞くことが大事

美容師はお客様に快適に過ごしてもらえるようにします。お客様に心地良く感じてもらえるようにします。
人は、誰かの話を聞くより、誰かに話すほうが心地良く感じることが多いようです。
お客様に心地良く感じてもらうためには、美容師の話を聞かせるより、お客様の話を美容師が聞くほうが良いわけです。
ですから、美容師が会話をリードしていると思わせながら、なるべくお客様に多くしゃべってもらうようにすることが大事です。

情報収集すること

お客様にたくさん話してもらうにしても、会話のきっかけをつくったり、話題が途切れたときなど、美容師が率先して会話をリードする必要があります。
そのためにもグルメ、美容、健康、地元ネタ、時事ネタなど、あらゆることに関して日ごろから情報を収集しておきましょう。
今の旬から伝統技能や伝統芸術、法律、歴史、文学など、どんな話題にも対応できるようになれば最強です。

忘れずにメモ

お客様との会話は「お客様の理解を深める」ためのものでもあります。会話の中での大事なことは、まだ覚えているうちにメモして残しておきましょう。そして機会があるごとにメモを見返し、お客様のいろいろな情報を記憶しましょう。
お客様も、美容師がそれだけ自分のことを深く覚えていてくれいると、きちんと理解してくれていると感じ、美容師を信頼できるようになるはずです。
お客様からの信頼は、あらゆる接客業に従事する人にとってとても大切です。

まとめ

話したくないことは無理に話す必要はありません。同様に、お客様から無理に話題を引き出してもいけません。必要なのは、お客様に楽しんでもらうこと快適に過ごしてもらうこと心地良く感じてもらうことです。
美容師とお客様が互いに相手に敬意を持って接すれば、普通はそれだけで楽しい会話が成り立つはずではありますが。

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