美容室には指名制度があります。美容室には複数の美容師、すなわちスタイリストがいて、どのスタイリストに施術してほしいか、具体的に名前を指すわけです。
はじめに
美容師を指名すると、別途指名料金がかかります。それもあって美容師を指名しない人もいます。
そもそも、誰を指名したら良いか分からない、指名したい美容師は人気があるのでなかなか予約を取れなくなる、そもそもそんなに自分の髪型にこだわっていないといったこともあります。
しかし、指名することでのメリットもいろいろあるのです。
もちろん、美容師のほうも「できれば指名されたい。指名してくれるお客様を増やしたい」と思っている人が多いとか、多くないとか巷間では囁かれております。
スタイリストを指名したほうが良い理由
スタイリストを指名する場合、一般的には毎回同じスタイリストを指名します。毎回違うスタイリストを指名する人はほとんどいません。毎回違うスタイリストで良いなら、指名料がもったないないですから。
毎回同じスタイリストを指名するということは、そのスタイリストの常連になるということです。自然と、スタイリストは指名してくれるお客様の好み、髪質などに詳しくなります。本当にお客様に合ったヘアスタイル、ヘアケアを提案してくれます。
お客様もスタイリストのことを分かってきます。お客様とスタイリストの間に信頼関係ができるかもしれません。お互いに心強いです。
指名するスタイリストを変えても良い?
ちなみに、毎回違うスタイリストに指名することは可能です。一度スタイリスト全員にやってもらってみて、自分との相性を確かめるには良い手かもしれません。
また、何回か指名しているスタイリストがいるものの、今回は違うスタイリスト指名する、つまり指名相手を変えても、何の問題もありません。何回か指名してみて、どうもしっくりこないと感じたら、とっとと違うスタイリストを指名してみましょう。
指名の変更はできるとしても、スタイリストを変えてしまったら裏でスタイリスト同士でもめないか? 以前の担当スタイリストと気まずくならないか?ということを気にする人もいるようですが、気にすることは一切ありません。そんなことより、相性の良いスタイリストを探し当てるほうが大切です。
裏でもめるかもしれませんが、それはお客様に関わりのないことですし、以前の担当スタイリストと気まずくなるかもしれませんが、別にその人と結婚して一生付き合うわけではありません。美容師との付き合いは美容室に行ったときだけですから、気まずいのも人生の中のほんの一瞬です。気にする必要はありません。
相性の良いスタイリストが見つかったら、信頼関係を築き、生涯の友情を育むのも良いでしょう。しかし、美容室に限らず、職場でも親戚付き合いでも、相性が良くない人とは距離を置いても問題はありません。
スタイリストが指名されたい理由
スタイリストにとって、自分を指名してくれるお客様は常連客ということです。お得意様です。ご贔屓様です。スタイリストとしての自分の技術や接客態度などを気に入ってくれているからこそ、毎回指名してくれるわけです。もしかしたら、違う美容室に移ってもそのまま常連客として付いて来てくれるかもしれません。
指名してくれるお客様がいるということは、それだけ自分の技術を買ってくれているわけで、スタイリストとしてもスタイリスト冥利に尽きるというものです。指名してくれるお客様が多ければ、それだけ大勢が自分を高く評価してくれているということなので、大いにうれしくなるでしょう。
実際、指名による売上がアップすれば、スタイリストとして給料がアップしますから、たくさん稼ぎたいスタイリストにとってはこの上ない喜びです。
スタイリストがなかなか指名されない理由
そんなわけで、なるべく多くのお客様から指名されたいと思う美容師もいるのですが、なかなか思い通りにいかないのが人生です。「なかなか指名されない」という苦悩を抱えるスタイリストもいるようです。
技術力が低すぎる
お客様はスタイリストには「容姿を美しくしてくれる」ことを期待しています。スタイリストが「容姿を美しくしてくれる」と、お客様の満足度が上がります。
美容師は高度な技術を必要とする専門職ですから、技術が低いとお客様の満足度を上げるような結果を得るのは難しいとされています。
仕上がりが悪かったり、明らかなミスを連発したり、施術に時間がかかり過ぎるのにていねいさがなかったり、明らかに技術力が低いと感じさせたら、もう二度と指名してくれなくなるでしょう。
接客力が低すぎる
技術力が低いスタイリストはなかなか指名してもらえませんが、そもそも基本的に日本の美容学校の教育レベルは高く、ほとんどのスタイリストはそれなりの技術力を持っていて、お客様の期待を大きく裏切るほどの技術しかないスタイリストは滅多にいません。
そんなスタイリストの指名数が伸び悩むのは、主に接客力に原因があると考えられます。
無愛想
意味もなく笑顔を振りまく必要はありませんが、それでも美容師は接客業でもあるので、スタイリストはお客様に明るくあいさつし、愛想良く接する必要があります。お客様の中にも「特に理由もなくいつも笑顔を振り向いている人を不快に思う人」はいるでしょうが、基本的に多くの人は「愛想良くしてくれる」と「自分を喜んで迎えてくれている」と思って良い心持ちになります。逆に無愛想だと、やはり不快に感じます。
接客業では、相手に快適さを味わってもらうことが肝心なのです。
不快な言動
愛想がとてつもなく悪いというほどでなくても、言葉遣いが荒かったり、下品だったり、お客様のプライベートにズケズケと口出ししたり、自慢話ばかりしたり、他人の悪口や愚痴が多かったり、ハサミなど道具の使い方が乱暴だったり、不快な言動のスタイリストはあまり指名されない傾向にあります。
提案力が低い
お客様の要望には素直に応えてくれるし、とりあえず言った通りの髪型にしてくれるものの、満足度が想定内な場合、指名は続くかもしれません。しかし、指名が増えることも期待できないかもしれません。
うれしい驚きがないわけです。
お客様の要望に対し「試しにこうしてみては?」と新しい提案をし、しかもその結果が予想以上に良かったりすると、次の指名にもつながります。良い評判が広がり、指名が増える可能性もあります。
逆に何の提案もないと「このスタイリストは自分に何も興味がない」と思われ、お客様を落胆させます。お客様を落胆させるスタイリストが指名客を増やすのは、かなり難しいでしょう。
不潔そう
お客様は美容室に「おしゃれであること」を求めて来店しますから、スタイリストが不潔そうだと途端に嫌われます。
美容やファッションの情報が古い
お客様は美容室に「美容の専門性の高さ」を求めて来店しますから、お客様からの要望に対し、スタイリストが「最新トレンドを試してみませんか」なんて提案されたらメロメロかもしれません。
逆にお客様から「最新トレンドの髪型は私に合う?」と聞かれたとき、その髪型のことを知らず、しどろもどろになってしまったら、お客様も大いに落胆するに違いありません。
会話が下手すぎる
美容師の仕事は接客業でもあるので、お客様に快適に過ごしてもらわなければいけません。そのためには、お客様と楽しく会話することも大事です。
お客様が明らかに興味のなさそうな野球やサッカーなどスポーツの話題ばかり振ったり、どんなジャンルの話題も会話がなかなか続かなかったり、お客様が静かに過ごしたいのにうるさく話しかけたり、お客様が会話したいのに受け答えが素気なかったりしたら、お客様に嫌われる可能性が高くなります。冷たく接してほしいと切望しているお客様は別ですが。スタイリストは、そういったお客様の個性を見極める必要もあります。
指名されるスタイリストになるには
高い技術力と接客術を身に付ければ、指名されるスタイリストになれるはずです。
まとめ
高い技術力と接客術を身に付ければ、指名されるスタイリストになれるはずですが、「こうすれば絶対成功する」というような鉄則はありません。常に自分を高め、情報を集め、アイデアを考え、工夫して仕事を続けましょう。
地道な努力を続け、もし運が良ければ、指名されるスタイリストとして成功する、かもしれません。
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