楽しくもアリ、ツラくもアリ? 美容室の店名の付け方

美容室

人は昔からいろいろなモノに名前を付けてきました。名前を付けるということは、その対象を理解したり、対処したり、分類したりすることです。
名前が分かると人は、理解でき、対処の仕方も分かり、自分の中で大切なのかどうか、分類できるようになります。
名前はとても重要です。

はじめに

美容室を開業するとなって、1つの悩みどころとなるのが、どんな店名にするかということです。店名の良し悪しが集客を左右します。しかし、とても良い名前だからと言って、他店と被っていてはいけません。
今回は美容室の店名を考えるときに参考にしてほしいポイントをいくつか紹介します。参考にしてみてください。

検索されやすい名前

今はネット社会です。自分で自分の欲しいものを地道に探す、その過程を楽しむという優雅さも忘れ、人は何でもスマホで検索します。
ですから、検索されやすい名前にすべきです。例えば、一般的な単語やフレーズを店名にすると競合する店名も多く、検索結果の上位に表示されにくくなります。
また、例えば「西遊記の孫悟空が好きだから孫悟空という店名にする」となった場合、ネットで「孫悟空」を検索すると、まず上位に出てくるのがあの人気漫画で、次に「西遊記」の情報が出てきてしまいます。

美容室らしい名前

人は「伸びた髪をどうにかしてほしい」に加えて「容姿を美しくしてほしい」という思いを持って美容室を訪れます。そのため、なるべく「おしゃれな美容室」に行こうとします。理容室なら、ある程度「武骨」でも構わないのですが、美容室ともなると違います。
このとき、「おしゃれ」を追求するあまり、カフェみたいな名前を付けてしまうと厄介です。例えば、街中でその店名を表示した看板を見ても美容室だと認識されず、カフェか何かと勘違いしてしまうからです。
おしゃれな名前でも良いのですが、せめて「美容室○○」「○○美容院」「ヘアサロン○○」など、美容室であることを明確にしましょう。

覚えやすい名前

「おしゃれ」な店名にしたいからと言って、例えば「インノケンティウスホーエンシュタウフェン美容室」なんて長くて覚えにくい名前にしたら、多くの人から避けられてしまうかもしれません。
ただ、逆に話題になって「インフェン美容室」なんて略した愛称が付けられることもあり得ます。

心に残りやすい名前

店名は「覚えやすい」と同時に「自然と覚えてしまう」ようなものであることが好ましいです。また、その名前を目にしたとき、それが何か気持ちを引っ張るようなものだと一層良いです。
心に引っかかる、心に残るということは、興味を持ってもらいやすいからです。
それでは、単にインパクトのある名前なら何でも良いかというと、やはり「自然と覚えてしまう」ようなものでないと、口コミ効果を期待できなくなります。
つまり、街中でインパクトのある名前の美容室を見つけ、そこを利用した人が、とても良い店だからと友人や知人に教えようとしたとします。話を聞いている人が「良さそうなお店ね。何というお店?」と聞いても、心に残っていないと「えーとぉ」しか出てこない可能性があります。

店の個性を表現できてる名前

高級志向の店であれば、高級感のある店名にしたほうが良いでしょう。庶民的な店なら、親しみやすそうな名前が良いです。
例えば、高級志向で外観も内装も高級感があるのに店名が「美容院花子ちゃん」という場合。そこを利用した人が、とても良い店だからと友人や知人に勧めたとします。勧められた人が「良さそうなお店ね。何というお店?」と聞くので「美容院花子ちゃん」と答えても「うそお」という反応で、なかなか信じてもらえない可能性もあります。
一方、仮に「スズキハナコ」という全国的にも有名なカリスマ美容師がいて、新しく店をオープンさせる際、店名を「スズキハナコサロン」とでもすると、店名を見た人は瞬時にどんな店かをイメージするはずです。

短すぎず、長すぎない名前

店名は長すぎないほうが良いです。前述したように、店名が長すぎると覚えてもらいにくくなります。また、検索でも上位に出てきにくいです。
逆に短すぎると、店のイメージを伝えにくくなります。例えば「ア美容室」。「ア」はあいうえおの一番トップだから、電話帳でも一番上のほうになるはずだと、昭和世代は考えたりします。しかし「ア」では何のイメージも伝わりません。

他店と被らない名前

なるべく多くの集客を図ろうとすると、それだけ多くの人々の心に刺さるような店名を考えがちです。
例えば「美容の店だからビューティ」と名付けたとします。しかし、大体すべての美容室が「美容の店」なので、同じ発想で「ビューティ」と名付けたら、世の中は「美容室ビューティ」「ビューティ美容院」「ヘアサロンビューティ」であふれてしまいます。お客様は困ります。
他店と混同されないようにするためには、やはり他店と被らない名前にしたほうが良いでしょう。
また、美容室ではなく、カフェ、アパレルショップなどに使われているのと同じ店名にしようとした場合も、すでにその名前を取り入れたドメインが登録されていることもあり得ます。そうなると、ドメインに空きがないかもしれません。他業者の店であっても、同じ店名は避けたほうが無難です。

有名な何かと被らない名前

被らないよう気をつけなればいけないのは、他の美容室の名前だけではありません。有名キャラクターや有名人など、美容室かどうかと関係なく、すでに知名度がある名前と被ってもいけません。お客様が混乱します。

商標登録されていない名前

有名な何かと被らない名前にすべき大きな理由と言えば、有名な名前は商標登録されている可能性が高いからです。商標登録されている名前を許可なく使うと、訴えられます。
逆に、オリジナルな店名を美容室に付けるなら商標登録したほうが良いかもしれません。真似される心配がなくなります。ただし、商標登録にはそれなりの費用がかかります

変な意味も持っている名前は避ける

言葉はいろいろな意味を持っています。例えば「びよう」は「美容」と書くと「美しく整えること」といった意味ですが、「微恙」なら「軽い病気」「備用」なら「用心のためにそなえておくこと」といった意味になるそうです。
また、日本語なら変な意味がなくても、外国の言葉としては変な意味を持つ場合もあります。例えば「きれい」という言葉はタイでは全く逆の意味になるらしいです。
おしゃれなイメージの英語があったので、これを店名にしようかと考えたとします。意味を調べても、決して悪い言葉ではありません。しかし、もしかしたらスラングとしてとても悪い意味で使われていないとも限らないのです。
何か悪い意味を持った言葉を店名にすると、お客様に不快感を与えてしまう可能性もあります。そうならないため、言葉の意味はしっかり調べましょう。

言葉遊びをしてみる

例えば、1つの語に2つ以上の意味を持たせるダブルミーニングで店名を付けるのも面白いかもしれません。
また、美容室はどうしても「おしゃれ」な店名を付けたがりがちですが、ユーモアのある、面白みのある店名にしてみるのも一案です。何しろ「おしゃれ」を狙った店名が多いですから、他店と差別化できますし、それだけにお客様の印象にも残ります。「店名がおしゃれかどうかではなく、美容師の技術が高く、サービスが充実している美容室に通いたい」と考えるお客様の目に留まるはずです。

外国語を使った名前

日本人はビジネス用語だろうが日常用語だろうが、とにかく何にでも外国語を使いたがる傾向があります。そういう病気なのかもしれません。とにかく自国の文化をないがしろにすることを好み、その一方で隣国には敵意むき出しで、ほんの少しでも隣国のことを良く言ったりすると「売国奴」呼ばわりなので、もう何が何やらです。
そんなわけで美容室の店名も外国語がとても多くなっています。
外国語の中でもよく使われるのが英語フランス語ハワイ語だそうです。
響きが何となくおしゃれなフランス語を使いたくなる気持ちは分からないではないですが、こうした外国語を使う場合も、必ず仮名を振りましょう。英語は多くの人が読めるかもしれませんが、それでもよほど使い慣れていないと、文字を見ただけで覚えることは難しいです。ましてやフランス語だけでは読めないかもしれません。

風水を取り入れた名前

風水は、都市、住居、建物、墓などの位置の良し悪しを見定めるために古代中国から用いられている思想です。「気の流れを物の位置で制御する」という発想に基づいています。
風水の思想に基づく、縁起の良い言葉がありますから、それを店名に取り入れてみるのも良いでしょう。千客万来となるかもしれません。

まとめ

店名を考えるのはなかなか難しいです。店名は売り上げを左右しますし、お客様やスタッフにとっては店のイメージを決定付けるものでもあります。また、一度付けると変更するのに費用も掛かります。変更する場合は看板なども取り替えたりもしなければいけません。
ただ、売り上げとか「おしゃれ」かどうかだけではなく、自分の好きなもの店の在り方思い入れなどを表現するのも店名です。じっくり考えてみましょう。

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